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 大河ドラマ『真田丸』。前回の放送で描かれた、第一次上田合戦で、みごとに徳川から勝利を収めた真田勢。

「13話までは1話1話が粒ぞろいで、短編が並んだ感じがするんですけど、14話からはもっとうねるようなリズムになっているというか……。これまで見ていない方も楽しめる、まったく別のドラマになっています」

 次の14話では信繁(堺雅人)は上杉のお供として上洛し、ついに秀吉(小日向文世)と出会う。主演の堺雅人が“大坂編”の見どころをたっぷりと語ってくれた。

「梅(黒木華)と結婚して家族を持って、信濃に根を張った信繁ですけど、合戦の中で妻を亡くし、信濃からも離れます。妻の死を経験したことで、信繁は確実に大人っぽくなりますね。

 そして大坂へと移るのですが、僕は田舎で青春を過ごした人が、都会へ出て就職するような感じで考えています。今風の感覚で言えば、豊臣政権という“大企業”に、わりと初めからコネで中枢に入って新生活を始めるということかな。

 一応、秀吉の警護というのが役割なのですが、政策立案などの会議にも参加させてもらったりもしています。裃、今でいうスーツを着て、今は大坂城で楽しい充実したサラリーマン生活を送っております(笑い)」

 信繁の立場を、現代のサラリーマンにたとえて説明する堺。父・昌幸(草刈正雄)に代わって、信繁に影響を与えることになる秀吉については、こう語る。

「演じているコヒさん(小日向)は、いらっしゃるだけで現場が明るく、活気が出ます。セリフも“えっ!?”というところでとちったり(笑い)。シェークスピアのお芝居で言ったら、道化師の役に近いかな。道化師がそのまま権力を持ってしまった、みたいな。

 気まぐれな感じが恐ろしいんですよ。狂気が強まったというか、ふざければふざけるほど、目が笑っていない感じ。われわれ一般人が、そんな人物に振り回される(笑い)。非常に面白いです」