「つい最近まで連絡をとりあっていましたが、金に困っているようすでした。“ケータイがしばらく通じなかったのは、ケータイ代が払えず止まっていた”と言って……」
そう話すのは、元ジャニーズJr.のカミュー・ケイドこと、大貞太子(おおさだ たいし)容疑者(28)の友人。
元アイドルの容疑は、ガス点検を装った強盗事件だった。
ジャニー前社長に気に入られていた容疑者
東京・新宿区の無職・大貞容疑者は、8月27日午後1時25分から同2時10分ごろまでの間、数人と共謀のうえ、神奈川県川崎市の60代女性宅に侵入。事前に、
「これからガス点検に行きますので」
と“アポ電”を入れておく周到さだった。
その直後、女性宅を作業服姿で訪問。女性を粘着テープで縛り上げて、
「金を出せ!」
と脅して軽傷を負わせ、現金14万円とキャッシュカード数枚を奪って逃走。9月29日に住居侵入と強盗致傷の疑いで逮捕された。
「(女性を)緊縛はしたが、金品は奪っていない」
と大貞容疑者は否認しているというが、同様の事件は8月以降、首都圏で多発しており、警察はそれらの事件との関連も調べている。
大貞容疑者は、アメリカ人の父親と、日本人の母親の間にアメリカで生まれたハーフ。
やがて両親は離婚し、母親とともに移住して大分県で育った。
ジャニーズ事務所関係者が説明する。
「英語が得意で、身長160センチほどと小柄ながら運動神経も抜群。バスケットボールが得意で、中学校時代はキャプテンを務めていたこともありました。
TOKIOの長瀬智也の大ファンで、彼に会いたがっていたので、母親が息子の思いを酌んでジャニーズ事務所に履歴書を送ったことが、入所のきっかけになりました」
当初から、昨年亡くなったジャニー喜多川前社長に気に入られていたという容疑者。
「カミューは外国人だけで構成される『Team USA』のメンバーとなり、のちに『Hip Hop JUMP』というグループで活動していた時期もありました。
このグループには今年1月にCDデビューした『SixTONES』でセンターをやっているジェシーもいましたね」(同・関係者)
2007年には、武田鉄矢主演の『3年B組金八先生』の第8シリーズにも出演。高畑充希や忽那汐里らとも共演した。
ネットカフェで置引事件を起こしていた
順調に思えた芸能活動だったが、2年後の’09年に、ある事件を起こしたことが報じられた。
同じ元ジャニーズJr.のメンバーとともに、首都圏のネットカフェで、寝ている人の財布などを盗む、置引事件を起こしていたのだ。
ひと月に約20件、総額50万円を盗んで逮捕されたが、当時は未成年だったため、実名では報道されなかった。
「思ったより、仕事が少なかったので、芸能活動を辞めた。生活費やゲーム代のためだった……」
と当時の大貞容疑者。
その後は、都内のロボットが出演するレストランや別の飲食店で、主にダンサーとして働いていた。
「うちでは、1年半ぐらいダンサーをやっていました。アメリカンポップスを踊っていたのですが、顔も昔のマイケル・ジャクソンに似ていたので、彼のまねをしていました。もうキレッキレのダンスでね。すごかったですよ! だけど、元ジャニとは知らなかった。
辞めたのは、トラブルを起こしたのではなく、店のコンセプトが変わり、ダンスも変わったので」(ダンサー仲間)
その後は、地下アイドルのメンバーとして活動したが、金銭面のトラブルでクビに。
以降は、YouTuberになろうとしたこともあり、清掃員の仕事をしながらキャバクラのボーイもしていたという。
自分の母親への借金返済に追われていた
そして、今回の強盗事件──。金に困っての犯行のようで、情報番組では200万円の借金があると報じられたが、その真相を容疑者の知人が明かす。
「カミューは、自分の母親への借金返済に追われていました。前に置引事件を起こしたときに、母親がカミューの名前などが出ないように弁護士に頼んだ費用などを返し続けていたそうです」
容疑者は、新宿区内の自宅マンションで母親と同居。
家賃は月に20万円近くと高額だが、そこまで追い込まれていたのだろうか。
「スナックで働いているカミューの母親は過保護な反面、パチンコや麻雀が趣味で息子の金に依存する面もありました。カミューが“金八のギャラは全部、母親のパチンコで消えたよ”と面白おかしく話していたことも」(別の知人)
しかし、今回の事件は大貞容疑者の「手癖の悪さ」が原因にもなっているようだ。
ジャニー前社長のマンションで働いた悪事
冒頭の友人が証言する。
「置引事件のとき、カミューは事務所をすでに“みずから辞めた”となっていましたが、実は、それより前に万引をして、クビになっていたんです」
ジャニーズ事務所関係者も、こんな驚くべきエピソードを披露する。
「ジャニーさんのマンションに泊まったときにカミューが、社長のテレビと現金を盗んだことがあるそうです」
ジャニー喜多川さんが特に目をかけるJr.たちを「合宿所」と呼ばれる六本木の自宅マンションに寝泊まりさせていたのは有名だが、そこで盗みを働くとは……。
ジャニーさんも、お気に入りのカミューの“犯行”だっただけに、目をつぶるしかなかったのかもしれない。
芸能界関係者が嘆息する。
「カミューは過去にも、特殊詐欺の現金引き出し役(出し子)をやっているとか、クスリをやっているなどの噂は山ほどありました。
今回の事件で彼の周辺からは、“ジャニーズから犯罪者って見事な転落人生だね”“まあ、カミューならいつかはやると思っていたけど”という声が多いですね」
神奈川県警は共犯者の行方を追うとともに、一連の実行犯の背後には指示役がいることも視野に入れている。
そんな大貞容疑者の過去を聞くにつれ、転落したというよりは、重ねていた犯行がついに、表ざたになったということかもしれない。
今後、弁護士費用など母親への借金はさらに増えるかもしれないが、きちんと罪を償い、母親との生活を見直すしかないだろう。