豚キャベツの無限鍋(撮影/廣瀬靖士)

 冬は寒さによって夏よりも体内のエネルギーを使うため、胃腸がお疲れ気味。会食などで多く飲んだり食べたりしたり、寝不足が続くとさらなるダメージを負うことになる。

 腸の働きが弱くなると、腸内細菌が減り免疫力もダウンしてさまざまな身体の不調の原因になるため注意が必要だ!

冬キャベツで胃腸力UP

「そんなときに頼りになるのがキャベツです。キャベツには胃腸の働きを助ける効果や、免疫力をアップさせる抗酸化作用を含んでいる『イソチオシアネート』や、

 胃の粘膜を修復してくれる『キャベジン』が豊富に含まれていて“食べる薬”とも言われているほどです」と、国際中医師で中医薬膳師の杏仁美友さん。

 特にキャベツから発見された健康成分で、胃腸薬の名前としても知れる『キャベジン』は、食べ過ぎで弱った胃腸に最適な栄養素。

 さらに、腸の運動機能を高めて便秘予防をしてくれる食物繊維や、体内の余分なナトリウムを排出してむくみ解消になるカリウムといった嬉しい成分がたくさん含まれている。

 また、野菜のなかでは消化しやすいのも、弱った胃腸に優しい理由で、疲れた胃にはまさにもってこいの食材だ。

今記事の主役「冬キャベツ」(撮影/廣瀬靖士)

 お手軽価格という点も見過ごせない。野菜の値上げがつづくなか、キャベツはひと玉100円台を保っている超優秀な野菜で、キャベツでかさ増しすれば、家計も助かるボリューム満点レシピが完成。

 疲れた身体を労りながら節約もできちゃうというわけ。これを使わない手ははない!

 でも、冬キャベツは固くておいしくないイメージが。

「そんなことはありません。たしかに、春キャベツに比べて固さはありますが、その分水分が少ないので煮込み料理や、炒め物にはバッチリ。

 寒さにさらされて育っているので、甘みが増していて、加熱するといい味が出ますよ」と、料理研究家の蓮池陽子さん(以下同)。

「千切りやざく切りなどの切り方や、調理方法でまったく違う味わいになるので、ぜひあの手この手でキャベツを味わい尽くしてみてください」

 身体にも財布にも優しいキャベツでこの冬を乗り切って。

豚キャベツの無限鍋

 食欲そそる焦がししょうゆではしが止まらない!

豚キャベツの無限鍋(撮影/廣瀬靖士)

材料(2人分)
・キャベツ(ざく切り)……1/4個
・豚バラ肉(もしくは豚肩ロース)……300g
・しいたけ……3個
・ニラ……1/2束
 A〔塩……小さじ1/4、にんにく(すりおろし)……1/2個、ごま油……大さじ1、しょうゆ……大さじ1と1/2〕
 B〔だし……500ml、鶏ガラスープの素……大さじ1/2、にんにく(輪切り)……1/2かけとうがらし(輪切り)……小さじ1〕
・黒こしょう

【作り方】

(1)しいたけは石づきを取って1cm幅に、ニラは4〜5cm幅に切る。豚肉は食べやすい大きさに切り、Aで下味をつける。

(2)鍋にごま油を入れ、強火で豚肉を炒める。しょうゆは鍋肌で焦がしながら肉と絡める。

(3)豚肉に焼き色がついたらキャベツ、しいたけ、Bを加えて中弱火で煮る。

(4)キャベツがやわらかくなったら塩(分量外)で味を調え、ニラを加える。好みで黒こしょうをふる。

キャベツの肉巻き

 牛肉とシャキシャキのキャベツが相性抜群!

キャベツの肉巻き(撮影/廣瀬靖士)

材料(作りやすい分量)
・キャベツ(せん切り)……1/6個
・シュレッドチーズ……大さじ3
・牛肉すき焼き用薄切り肉……約250g(4枚分)
・塩……適量
・片栗粉……適量
・サラダ油……小さじ1
・しょうゆ……大さじ1
・みりん……大さじ1
・こしょう……少々
・レモン……適量

【作り方】

(1)キャベツに塩少々をふり10分ほど置いてから電子レンジ600Wで2分加熱する。牛肉は両面に軽く塩をふる。

(2)キャベツが手で触れられるくらい冷めたら水分を固めに絞り、ほぐしてチーズを加えて混ぜる。4等分にして団子状にまとめる。

(3)牛肉の両面に片栗粉をまぶし、その上に2のキャベツを置いて肉でしっかり巻く。

(4)フライパンにサラダ油を中火で熱し、3のとじ目を下にして焼く。全面に焼き色がついたら水50mlを注ぎ、ふたをしてときどき揺すりながら弱火で5分加熱する。

(5)しょうゆ、みりんを加え全体になじませる。食べやすい大きさに切り、こしょうをふり、レモンを添える。

キャベツ豚丼

 キャベツの甘みで豚肉のうまみがアップ♪

キャベツ豚丼(撮影/廣瀬靖士)

材料(2人分)
・キャベツ(せん切り)……1/6個
・豚肩ロース……160g
・片栗粉……適量
・サラダ油……適量
 A〔にんにく(すりおろし)……1/2かけ、玉ねぎ(すりおろし)……大さじ2、ぽん酢……大さじ2/3、めんつゆ(ストレート)……大さじ2と1/2、水……150ml〕
・ご飯……適量
・七味、紅しょうが……各適量

【作り方】

(1)キャベツを耐熱皿に入れてラップをし、電子レンジ600Wで2分加熱。Aの調味料を合わせておく。豚肉全体に片栗粉をまぶす。

(2)フライパンにサラダ油を中火で熱し、豚肉の両面を焼く。Aを加え全体に絡ませて汁が半分ぐらいになるまで煮詰める。

(3)丼にご飯をよそい、キャベツと豚肉をのせて汁をかける。好みで七味をふりかけ、紅しょうがを添える。

キャベツとしらすのパスタ

 キャベツたっぷりで糖質控えめパスタ

キャベツとしらすのパスタ(撮影/廣瀬靖士)

材料(1人分)
・パスタ……50g
・キャベツ……100g
・釜揚げしらす……30g
・にんにく……1/2かけ
・オリーブオイル……大さじ1
・卵黄……1個分
・塩……適量
・粗びき黒こしょう……適量

【作り方】

(1)キャベツは5mmほどのせん切りに、にんにくは輪切りにする。

(2)鍋に湯を沸かし、海水ぐらいの塩分になるように塩を入れ表示どおりにパスタをゆでる。ゆで上がり2分ほど前にキャベツを加える。

(3)フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけ、香りが立ったらしらすを加えひと混ぜする。

(4)火をやや強め、湯をきったパスタとキャベツを入れて混ぜ、全体をよくなじませる。

(5)皿に盛り、卵黄をのせる。こしょうをたっぷりかける。

骨つき肉とキャベツのポトフ

 肉のうまみでキャベツ1/4個ペロリ!

骨つき肉とキャベツのポトフ(撮影/廣瀬靖士)

材料(作りやすい分量)
・鶏もも肉ぶつ切り……400g
・塩……小さじ1強
・塊ベーコン……150g
・キャベツ(芯がついたもの)……1/4個
・マッシュルーム……6個
・玉ねぎ……1/2個
・にんじん……1/2本
・じゃがいも……1個
・にんにく……1かけ
・オリーブオイル……大さじ1〜2
・ローリエ……1枚
・塩、こしょう……各適量

【作り方】

(1)鶏肉全体に塩をまぶし、ポリ袋に入れて2時間〜半日ほど冷蔵庫でなじませる。ベーコンは1cm幅に、にんじんとじゃがいもは3cm幅に、キャベツと玉ねぎは芯を残して2〜3等分に、マッシュルームは半分に切る。にんにくは皮をむく。

(2)厚手の鍋にニンニクとオリーブオイルを入れ火にかけ、香りが立ったら水けを拭き取った鶏肉、ベーコンを入れ、全体がきつね色になるまで焼く。

(3)じゃがいも以外の野菜とローリエを加え、水1500ml(分量外)を注ぎ火にかける。沸騰したらアクを取り、中弱火で40分加熱する。25分経ったところで、ローリエを取り除きじゃがいもを加える。

(4)器に盛り、塩、こしょうをふる。

カレーにリメイク!

骨つき肉とキャベツのポトフのカレーリメイク(撮影/廣瀬靖士)

 飽きてきたらルーを加えるだけの簡単リメイク。うまみの溶け込んだ絶品カレーに!

キャベツとさば缶のトマト煮込み

 みその濃厚なコクとトマトの酸味があとを引く

キャベツとさば缶のトマト煮込み(撮影/廣瀬靖士)

材料(作りやすい分量)
・キャベツ……1/4個
・さば缶……1缶(約200g)
・しめじ……1/4パック
・玉ねぎ……1/2個
・オリーブオイル……大さじ1
 A〔トマト水煮缶……200g、ケイパー……大さじ1/2、みそ……小さじ1、酢……小さじ1、オレガノ……少々(あれば)〕
・塩、こしょう……各適量

【作り方】

(1)キャベツはひと口大、玉ねぎは薄切りにする。しめじの石づきを取ってほぐし、さばは水けをきっておく。

(2)フライパンに玉ねぎ、しめじ、オリーブオイルを入れて火にかける。

(3)玉ねぎがしんなりしたらさばを加えてほぐしながら混ぜる。Aを加えて全体に行き渡るように混ぜ、15〜20分中弱火でときどき混ぜながら炒める。

(4)塩、こしょうで味を調える。

チーズ焼きにリメイク!

キャベツとさば缶のトマト煮込みのチーズ焼きリメイク(撮影/廣瀬靖士)

 シュレッドチーズを加えてトースターでこんがり焼いたら見た目にもおいしい一品に

スペアリブとキャベツのビネガー煮込み

 くたくたになったキャベツがやみつき!

スペアリブとキャベツのビネガー煮込み(撮影/廣瀬靖士)

材料(作りやすい分量)
・スペアリブ……400g
・塩……小さじ1強
・キャベツ……1/4個
・にんにく……2かけ
・米酢……100ml
・水……50ml
・オリーブオイル……大さじ1/2
・塩、こしょう……各適量

【作り方】

(1)スペアリブはできれば水に1時間ほどつけて血抜きをしたあと水けを拭き、塩をすり込み30分ほど置いておく。キャベツは1cmぐらいの細切りにする。にんにくは半分に切り、芯を取り除く。

(2)厚手の鍋にオリーブオイルを熱し、スペアリブの両面に焼き色をつける。

(3)キャベツ、にんにくを加えてひと混ぜしたら米酢と水を加え、ふたをしてときどき混ぜながら20分中弱火で加熱する。ふたを外し火を強めて汁を少し煮詰める。

(4)塩、こしょうで味を調える。にんにくを取り出し、フォークの背などでつぶす。

(5)皿に盛り、にんにくを添えてこしょうをふる。

ホットサンドにリメイク!

スペアリブとキャベツのビネガー煮込みのホットサンドリメイク(撮影/廣瀬靖士)

 粒マスタードとマヨネーズを塗った食パンにサンド! 肉は食べやすい大きさに切っておくのがポイント。チーズを加えるのもおすすめ♪

塩漬けキャベツですぐでき!サブおかず

 余ったキャベツは漬け置き!

ごくウマ塩漬けキャベツレシピ

ごくウマ塩漬けキャベツの作り方(撮影/廣瀬靖士)

(1)キャベツ1/3個をざく切りにする

(2)水1L、塩大さじ2と1/2、ポリ袋を用意

(3)袋にキャベツと水と塩を入れ、空気を抜きながら袋の口を固く縛る

(4)ひと晩寝かせたら食べごろ! 保存の目安は冷蔵庫で1週間、冷凍庫で1か月

キャベツののりあえ

 梅干しの風味が口にふんわり広がる

キャベツののりあえ(撮影/廣瀬靖士)

材料(1人分)
・塩漬けキャベツ……1/8個分
・のり(小さくちぎる)……1/2枚
・梅干し(ペースト)……小さじ1
・白いりごま……適量

【作り方】

(1)塩漬けキャベツをせん切りにし、水けをぎゅっと絞っておく。

(2)すべての材料をよく混ぜる。

キャベツのカニかまサラダ

 マヨ味であっという間になくなっちゃう♪

キャベツのカニかまサラダ(撮影/廣瀬靖士)

材料(2人分)
・塩漬けキャベツ……1/8個分
・紫玉ねぎ……1/8個
・マヨネーズ……大さじ2
・わさび(チューブ)……3〜4cmほど
・カニかまぼこ……4本
・ゆで卵……1個
・こしょう……適量

【作り方】

(1)塩漬けキャベツの水けをよく絞る。紫玉ねぎは薄切りにし、水にさらして辛味を取り除き、水けをしっかりきっておく。

(2)ゆで卵とカニかまぼこは食べやすい大きさに切る。

(3)ボウルにすべての材料を入れてよく混ぜる。少しなじませてから食べるのがおすすめ。

きざみキャベツのごま油ポン酢あえ

 さっぱりした味わいとごま油の香りで無限キャベツ!

きざみキャベツのごま油ポン酢あえ(撮影/廣瀬靖士)

材料(1人分)
・塩漬けキャベツ……1/8個分
・しょうが(すりおろし)……小さじ1
・ごま油……小さじ1
・ポン酢……小さじ1/2〜小さじ1
・白いりごま……適量
・ラー油……適量

【作り方】

(1)塩漬けキャベツをせん切りにし、水けをぎゅっと絞っておく。

(2)すべての材料をよく混ぜる。

キャベツと卵のオイスターソース炒め

 簡単なのにガッツリ!おつまみにも

キャベツと卵のオイスターソース炒め(撮影/廣瀬靖士)

材料(2人分)
・塩漬けキャベツ……1/8個分
・卵……2個
・ごま油……小さじ1
 A〔酒(あれば紹興酒)……大さじ1/2、オイスターソース……大さじ1/2、砂糖………小さじ1/2、しょうが(すりおろし)……少々〕

【作り方】

(1)塩漬けキャベツは水けを固く絞る。卵は溶きほぐす。

(2)フライパンにごま油を熱し、卵を入れて半熟のスクランブルエッグを作り、すぐに皿などに取り出す。

(3)同じフライパンで塩漬けキャベツを1~2分炒め(足りなければごま油を追加する)、混ぜ合わせたAを加えてざっと混ぜたら卵を戻し入れ、全体になじませて火を止める。

蓮池陽子さん●料理研究家。ビストロに勤務した後、料理教室で料理・製菓講師を務める。現在は「食の物語を紡ぐしごと」をコンセプトにレシピ開発、執筆、飲食店プロデュースなどを手がけている。
教えてくれた人……蓮池陽子さん●料理研究家。ビストロに勤務した後、料理教室で料理・製菓講師を務める。現在は「食の物語を紡ぐしごと」をコンセプトにレシピ開発、執筆、飲食店プロデュースなどを手がけている。

(調理・スタイリング/蓮池陽子 撮影/廣瀬靖士)