「身体の中でもっとも冷やしてはいけないのは子宮」と語るのは人気リンパマッサージ師のあい先生。寝る前5分の体操を日課にするだけで、子宮まわりがポカポカ。女性特有の不調から解放されるという。運動不足で代謝が悪くなる今の時季、さっそく試してみて。
女性特有の不調は子宮まわりが冷えている方がほとんど
「今まで3万人以上を施術してきましたが、更年期障害や生理痛などの女性特有の不調がある方は、お腹、つまり子宮まわりが冷えている方がほとんどなんです」
と教えてくれたのは、人気ユーチューバーの“リンパ師 あい先生”。
「子宮まわりが冷える一因に、リンパの滞りがあります。リンパ液はリンパ管を通じて全身をくまなく巡っており、余分な水分や老廃物を回収する働きをしていますが、その流れが滞ると、本来は体外に排出される水分や老廃物がたまってしまい、冷えるんです」(あい先生、以下同)
特に子宮のまわり、お腹と太ももの付け根(鼠径部)には、多くのリンパ管が通る「リンパ節」があることも影響している。
「座りっぱなしだったりすると、このリンパ節が圧迫されて滞りやすいんです。冬は身体を動かすのがおっくうになるので要注意。老廃物がきちんと排出されないと疲れもとれにくく、その疲労は脳にも影響します。脳は女性ホルモンをはじめ多くのホルモンの分泌を司るため、疲労がたまればバランスも崩れやすくなります」
冷えると冬はカイロを当てるという人も多いが、あい先生によれば外側から温めるよりも身体の内側から「自力で温める」のがベストだという。
「腹巻きなどをするのはOKですが、身体の反応って不思議なもので、高い温度で表面だけ温めると、汗をかいたりして深部体温を下げるので、体温も低くなります。これが習慣化すると、逆に冷えが悪化します」
手軽にリンパの滞りを解消するには、リンパと血液の流れを良くする「子宮温め体操」がおすすめ。
「ポイントはお腹と鼠径部を大きく動かすこと。腹部リンパ節と鼠経リンパ節の滞りが解消される上に、リンパ管の隣にある血管も刺激するため血流がよくなり、深部から体温が上がります」
子宮温め体操で入眠もスムーズに
ほかにもさまざまな効果が期待できる。
「患者さんの声で多いのが、お腹や太ももなど下半身がスッキリしたというもの。腰から下を大きく動かすことで、今まで使っていなかった筋肉が使われるようになるので、引き締め効果が高いのです」
また、便通がよくなったという声も多い。お腹を大きく動かすのが刺激となり、長年の便秘もスッキリ解消。お尻まわりの筋肉がほぐれることで、腰痛が解消されたケースもある。
「寝たままできるので、腰痛や脚の痛みがある人でも無理なく実践できます。タイミングとしては夜、寝る前や入浴後に行うと、内臓が温まりやすく効果もアップしますし、入眠もスムーズになります」
面倒な人は寝る前のベッドの上で手軽に実践できる点も魅力だ。
「早い人では翌日からすぐ便通がよくなる場合もありますが、どんな方でも3週間続ければ、何かしら身体の変化を感じられると思います。腰から下をゆらゆら揺らしたり、ぐるぐる回す動きなので、とっても気持ちがいいんです」
ただし、生理痛や腰痛など痛みがあるときは避けたほうが無難。慣れてきたら、自分が心地いいと感じる範囲で時間や回数を増やしてもいい。
年末に向けて寒さが厳しくなり、疲れがたまりやすい時季。楽ちんセルフメンテナンスで乗り切ろう!
取材・文/遊佐信子
リンパ師 あい先生 リンパマッサージ師。柔道整復師。体調改善を目指す独自の「愛式メディカルリンパ」を開発。著書に『リンパ師あい先生が本気で作った! 軽い力で全身使える! ハンドローラーBOOK』(宝島社)。