6月26日に行われた対局で29連勝を達成した藤井四段

 デビューからわずか半年で29連勝の快進撃を続ける将棋の史上最年少棋士・中学3年生の藤井聡太四段。30連勝が懸かる次局は、7月2日の竜王戦決勝トーナメント2回戦の佐々木勇気五段戦だ。

 公式戦最多連勝の記録を樹立した藤井四段に、羽生義治三冠は「歴史的な快挙です。結果も素晴らしいですが、内容も伴っている点でもすごみがあります」と祝福し、「将棋界の新しい時代の到来を象徴する出来事になりました。ひのき舞台で顔を合わせる日を楽しみにしています」とエールを送った。

 藤井四段の活躍にマスコミの報道も過熱し、6月30日には「扇子」「クリアファイル」に続き、3つ目の公式グッズとして「ジグソーパズル」が発売されるという異例の人気ぶりだ。

 注目を集める将棋界のフィーバーぶりに、羽生三冠の理恵夫人もツイッターで

≪今朝もスッキリで将棋の話題。嬉しいことですね。そこに何度も佐々木先生の映像が。端正なお顔立ちからか、そっと見守るお姿が妖精とも称される将棋界一のイケメン棋士と話題です。癒し系天才仙人vsミスター将棋連盟 対決は2日です≫(原文ママ)

 と呼び掛けた。

 羽生三冠を最も近くで見ている理恵夫人は、6月17日にこうつぶやいている。

≪おはようございます。寒い朝です。毎朝の切り抜き日課、天声人語で幼児教育の大切さが記載≫

 この日の天声人語は学校に入る前の幼児教育の及ぼす影響について書かれている。『幼児教育の経済学』の著者で米シカゴ大学のヘックマン教授は「幼児教育は学力だけでなく、根気強さや注意深さ、意欲などの『非認知能力』を育むのが大切だ」と語る。

将棋が注目され天才の育て方について私まで質問されるこの頃。善治先生が小さい頃何をしていたか? それが、藤井聡太先生の親御さんのインタビューと義父母の話が世代違いでも重なる部分も多く興味深い≫

 羽生三冠の母・ハツさんはかつて「楽しそうに将棋をしている姿を見るのが、私はとても好きでしたので、ただただ、子どもを見守っていました」と新聞のインタビューで自身の子育てについて答えた。

 一方、藤井四段も家庭では好きなことを自由に、そして “モンテッソーリ教育”というシステムを取り入れた幼稚園では自主性を育んだ。

 スポーツ紙記者によれば、藤井四段は「3歳のときに買ってもらったキュブロという積み木で何度も繰り返し遊んでいたそうです。それからも、一度夢中になったら気がすむまで集中している」のだという。

 子どもが楽しんでいるものを、ただ見守ってあげるというのは、簡単なようでなかなか難しい。天才を育てる一歩はまずはシンプル・イズ・ベストから?