「離婚を切り出しても、陽子さんは別れないの一点張りとか。でも真由美さんには“愛している”とか“子どもを産んでほしい”とか言っていたそうです」(前出・知人)

 ところが2度目に身体の関係をもったあと、川島は関係解消を求めてきた。「もてあそばれた」と思った真由美は情緒不安定に。「妻の様子がおかしい」と高橋が感づくことになり、2人の関係を知る。'15年5月のことだった。

自殺未遂と中絶

 暴力を受ける元恋人に同情した川島は「友人として奥さんを支えたい」と申し出た。高橋は当然これを拒否し、「2度と会うな」と伝えた。

 しかし、“友情を越えた関係”は続き、2人は不倫のぬかるみにはまり込んでいく。

 '16年1月、川島は突如“3月には妻と別れる”と宣言。一緒にモデルルームを見たり、結婚を約束したその言葉に救いを感じた真由美は、覚悟を決めた。子どもと川島の家の近くに引っ越したのだ。

 ところが3月になっても、川島に離婚するそぶりはない。問い詰める真由美に川島は暴言を吐き、“さっさと(夫のところに)帰れ”とキレた。

 梯子をはずされた格好になった真由美は、“もてあそばれて捨てられた”とショックを受け、自殺未遂……。そのとき、真由美は川島の子どもを身ごもっていたが、自身の体調や経済的なことが理由で、中絶を余儀なくされた。

 6月、万策尽きた真由美はボロボロになり、泣く泣く夫のもとに戻ったが……。

 一方、高橋の意外な反応を前出の高橋の知人は言う。

「やり直したいと妻に泣きついているそうです。奥さんは離婚したくても不貞の事実がありますから、自分からは離婚ができないようです」

 2人の教頭に、翻弄された真由美は、周囲に不満をぶちまけているという。

「川島が呼び寄せたくせに、引っ越し費用の約250万円を負担しようともしないと憤慨しています。今はどちらに対しても怒りの感情だけ。教育委員会に訴えても、あまりの不誠実な対応と2人への処分のなさに“問題を隠蔽しているんじゃないか”と怒っていました」(同・知人)

 柏原市教育委員会は、

DVや虐待についてはまず本人に聞き取りをしてから処分を決める。ただ、傷害事件ならば話は別。これは教師としての信用失墜行為だ」

 と厳しく話す。一方、富田林市教育委員会は、「個人の問題については答えられない」と回答した。

 夫婦関係の修復の相談を受けるオフィスベルの鈴木あけみ代表はこう指摘する。

「男の不倫は奥さんとの関係がうまくいっていないことが考えられます。男性の性質として、女性の浮気は許せない。相手に1度持った不信感はなくなりませんし、不倫した女性は相手の男性と幸せになれることはありません。不倫相手の男性は相手の女性のことを大事にしないし、守ろうという気にもなれないんです」

 教育者による不倫劇は、裁判所へと場所を移した。訴えられている川島は、不倫は認めるが高橋の家庭は暴力が原因で夫婦関係がもともと破綻していたと反論している。

 2人の教頭には子どももいる。本当の被害者は、親の欲望と身勝手さに振り回された彼らの子どもたちだ。

不倫は自己責任」(前出・鈴木代表)ゆえ、当事者は自分たちのしたことを裁判の場で争えばいい。

 どんな判決が下されるのか(文中敬称略)。