家事を超ロジカルにすれば、時間が生まれる

 家事は「こうせねばならない」という、思い込みが多いものです。その思い込みによって、働く母親たちが自分で自分の首をしめているケースは非常に多いといえます。

 そこから脱却するだけでも、大幅に時間が短縮されるはずです。

 特に料理にこの「思い込み」が多いのですが、たとえば、出汁(だし)の取り方もその一つ。大なべにお湯をグラグラ沸かして、かつお節を入れて煮だして……という、重労働。実は、おいしい出汁をとるためには不要なのです。

 というのも、お湯で煮出すより、水に浸してほったらかしにしておくほうが、ずっとおいしくて澄んだ出汁がとれるからです。朝に煮干しと水をポットに入れて冷蔵庫に入れておくだけで、夜には味噌汁用の上質なだし汁が完成しています。煮立たせないので、煮干しは頭やワタを取る必要もありません。

 これだけでもかなりの手間と時間、ガス代や電気代がカットされます。

 また、どんな食材も包丁を使う、という手順があたりまえになっていませんか。実は、包丁を避けるほうが、時短になるケースは非常に多いのです。

 例えば、皮付きの鶏もも肉やシイタケのいしづき、ほうれん草の根などは、キッチンばさみのほうが断然切りやすく、スピードも速いです。

 また我が家にはリンゴの皮むき器をはじめとして、トマトのへた取り器、アボカドスライス器など、よく食べる食材には専用カッターを用意しています。一度に一か所しか切れない包丁よりも、数段早くカットできるからです。

 なかでも、じゃがいも一個を一瞬で棒状にカットしてくれるフレンチフライカッターは導入して大正解の逸品。娘の大好きなポテトフライを作るのが非常にラクになりました。

 また、私は料理のメインイベントである「焼く」「蒸す」「煮る」のすべてはスチームオーブンレンジやIH電気鍋などの調理家電に任せています。

 なぜならスイッチ一つ押すだけで、調理の間、ほったらかしにできるから、出来上がるまでの時間が「自分の時間」になるからです。

 調理家電が働いてくれている間、洗濯や掃除など他の家事を片づけたり、子どもの宿題をみたり、テレビを見たり――料理は火をつけてフライパンや鍋を使うもの、という思い込みを捨てたことで、生まれた時間です。

 しかも時間や温度を自在にセットできるので、出勤前にカットした肉と野菜にだし汁をあわせてIH鍋に入れてセットしておけば、帰宅後にはおいしい煮ものができている、なんてことも可能。

「早く帰って夕食を作らなくちゃ!」という毎日のストレスから、永遠に解放されます。

 また、仕事帰りに混んでいるスーパーに行って、重い買い物袋を疲れた体で運んで……なんて人は、「買い物はスーパーで」という思い込みを捨てることをおすすめします。それだけで、忙しい夕方の時間を20分はロスします。

 買い物は通勤中の電車の中で、ネットスーパーで済ませれば5分で終了します。さらに、希望の時間帯に自宅に届けてくれるので、重い荷物を運ぶという身体的負担も一切なくなります。

 さらに買い物について話せば、下ごしらえに時間のかかる食材を買うことをやめるのも時短に有効な手段です。

 鶏もも肉ならカット済みを選ぶ、皮むきやアクをとる必要のない野菜を選ぶなど、料理の手間が増えるものを避けるのです。

 栄養が偏るからいろんなものをバランスよく……という思い込みからあれこれ買う必要はありません。手間なし食材に限っても、今の食材は十分に豊富ですので、栄養不足になることは決してありません。