北野武監督の映画のタイトルをもじり「その女代議士、凶暴につき」と『週刊新潮』が報じたのは、今年6月のことだった。
凶暴な女代議士の名は、豊田真由子衆議院議員(42)。政策秘書(当時)に暴力行為をはたらき、「このハゲ~っ」と暴言を浴びせる始末。報道直後、同議員は所属する自民党に離党届を提出。以来、1か月半以上、人前に姿を見せず、「入院」を理由に雲隠れ状態を続けてきた。
「週刊誌の掲載前に本人から直接、電話がありました」
と口を開くのは、地元埼玉4区の有力後援者の男性。
「“ご迷惑おかけしてしまいます。載ってしまうのよ”と泣きながら伝えてきました。彼女からはそれっきりです」
発覚後しばらくして、それまで見たことのない新しい秘書が謝罪に訪れたという。
別の地元支援者は、
「一部報道で秘書のお詫び行脚が始まったと報じられましたが、うちにはまったく来ていません。本人も、秘書も。説明もないし、説明してほしいとも思わない」
とばっさり切り捨て、
「いろんな人を紹介して、世話もしたのに、恩を仇で返された気分。私が恥をかいたよ」
とカンカンだった。
有権者の怒りもすさまじい。
60代の女性は、
「早めに本性がわかって、今はよかったと思っています」
とクールにピシャリ。
東武東上線志木駅前では8月2日夕、『豊田真由子氏の議員辞職を求める市民集会』が開かれ、会社帰りのサラリーマンや買い物客ら約300人が足を止めた。
豊田氏の辞職を求める活動をしている代表の1人は、
「人として言ってはいけないことを多く発言している。議員として雲隠れしないで、姿を現して事実を語って謝罪をしてもらいたい。潔く辞職をして新しい人生を歩んでいただきたいと思っています」
と退くことをすすめ、
「地元の子どもたちが、豊田氏のことをなんて言っているか知っていますか?“ハゲのおばちゃん”ですよ。悪い影響が出てきているんです」
と事件が与えた衝撃の大きさを改めて伝えた。
父親も「謝罪に行くつもり」
さらには豊田氏の辞職を求め、1000人以上の署名も集まっている。
「最近では彼女の後援会の人や支援者も署名に来ています。中には裏切られた、失望した、と口にする人も少なくありません」
と主催者の女性は訴える。
豊田氏の地元事務所の扉は固く閉ざされ、応対する気はなし。衆議院議員会館も電話が一切つながらない。それでも月々の議員歳費は支払われている。
「再び政治活動をすることは難しいと思います。秘書やスタッフと信頼関係が作れず、あんな醜態をさらし、音声が残っている。政治家としては致命的でしょうね」
と地方議員の元秘書は言う。
千葉県船橋市の実家を訪ねた。白髪で長髪の父親は、
「いつ復職するのか、まったく情報がないのでわからないんだよ。(電話はかかってきた?)今は言えない。暴言は政治家が言っていい言葉ではないね、絶対に。親の僕もいずれ選挙区のみなさんに謝らにゃならんと思ってるよ」