街を歩く時間もほとんどなく、外で1度も“みね子”と呼ばれたことがなかった、という有村。
後半、視聴率は20%超えをキープするようになったが、放送開始当初はこれまでの朝ドラに比べ低かった――。
「気にしていないようで、気になっていたのかもしれません。最初のころは食欲もなかったし、ちょっと体調を崩していた時期もありました。こんなふうに気持ちが身体に現れることは今までなかったので、よほど考えてしまっているのかな、って」
共演者たちは、ヒロインの有村がいつも周りに気を遣い、現場を盛り上げていたと話す。本人も周囲との会話を楽しみながら撮影に臨んでいたが、見えないプレッシャーに悩まされていたことを告白。
「今思うと、自分との戦いでしたね。余裕がなくて不安定になるときもありましたが、絶対に現場を止めることはしたくなかったので、とにかくセリフを入れて現場に行こう、と。家に帰ると、いろいろな思いがこみ上げてきて泣く夜もありましたけど(笑)、そんなときは友達や家族に励ましてもらったりしました」
気になるのは、最終回へ向けてのヒデ(磯村勇斗)との恋の行方。
「ヒデさんとの恋は、ただの青春の1ページの爽やかな交際ではなく、もっと肝の据わったというか、先を見据えた関係でありたいとみね子は考えているのかな、って」
昨年9月末の先行ロケからクランクイン。1年近くにわたって演じきったことで、何を得られた?
「何かに耐えるということは、任せてください!(笑) 長い時間を過ごせたからこういう気持ちが生まれてきたと思うし、今はみね子がすごく愛おしい存在です。役や作品、キャストさんやスタッフさんたちに対し、どれだけの熱量を持って接するのかを大事にしなくてはいけない、と思いました。本当に、自分の“気持ち”というものが作品に現れるのだ、と勉強させていただきましたね」
ご褒美はこれから♪
「撮影終了まで1か月を切った8月初旬。『まれ』でヒロインを演じた(土屋)太鳳ちゃんが、差し入れをたくさん持ってきてくれたんです」
友達からの陣中見舞いを受け、無事に撮影を乗り切った有村。1年間頑張った、自分へのご褒美は何?
「お寿司でもなんでもいいですけど、おいしいものを絶対に食べにいこう、って思っています(笑)。まだしばらくは落ち着かないのですが、少しまとまったお休みをいただけるようなので、どこか旅行に行けたらいいな、って。今から楽しみにしています」