祝50年! ミルメークは47都道府県で愛され中
アンケートで、約4割が給食に“出た”と答えた『ミルメーク』。そのうち8割強が“好きだった”と回答している。そんな人気者の誕生秘話はあまり知られていない。
「3代目の社長が営業マンとして全国を飛び回っていたとき、栃木県の栄養士さんから相談を受けまして。“脱脂粉乳から瓶牛乳に切り替わるが、カルシウムやビタミンが減ってしまう。なんとかならないか?”と。栄養素をそのまま牛乳に加えたところ、おいしくない。試行錯誤していたある日、銭湯でコーヒー牛乳を飲む人を見て、ひらめいたと聞いています」
とは、開発・販売を行う大島食品工業の中根勇常務取締役。
そうして昭和42(’67)年に産声を上げた『ミルメーク』は、加えるだけで、牛乳が甘く飲みやすくなると一気に全国の学校給食に広がった。
「元祖は粉末タイプでしたが、のちに瓶牛乳により溶けやすい顆粒タイプを作りました。そして、瓶牛乳からパック牛乳への移行に合わせ、液体タイプも開発しました」
現在も47都道府県すべてで飲まれている『ミルメーク』。ただ、メーカーのお膝元である名古屋市では採用されていない。
「食育として“牛乳は白いもの”と認識させたい、とのこと。地元ですので、使っていただけるように努力はしているんですが、やはりそこは自治体の考え方ですので。
ただ、全国の学校からは“『ミルメーク』の日は牛乳の飲み残しがほとんどない”“お休みの子がいると争奪戦になる”、親御さんからは“自分の子どもにも飲ませたい”というお声をよくいただくのが、弊社の誇りです」
いまやコーヒー味ばかりでなくバリエーション豊か。
「リクエストに応え、ココア、いちご、バナナ、抹茶など全8種類あります。でも、ダントツの人気№1はコーヒーです」
’93年からは学校給食の枠を超え、全国のスーパーや100円ショップなどでも販売されるように。
「おおげさなことは言えませんが、子どもたちの笑顔のほんの一部を担えたら。安心安全はもちろんのこと、おいしいもの、喜んでいただけるものを作っていきたいと考えております」