とはいえ、宅地のような「私有地」ではなく、建築基準法上は道路にあたるため、堺市が固定資産税を支払っている。

「それを平野容疑者が、“ここは俺の私有地だ”って言っているんですよ。主張は、通るなということですが、“土地を買い取れ”とも言うので」と前出・捜査関係者もあきれ果てる。

 2年前の逮捕で、執行猶予がつき「しばらくおとなしかった」という声もあったが、「“あの工事”からまたスイッチが入った感じ」と近隣の住民たちが指摘する工事がある。

「3か月くらい前に、家の前の水路の防護柵を高くするっていう工事をしてから、平野容疑者が口うるさく言うようになったんです。それでまともに進められなくて。“(工事を)やるな!”とすごく怒鳴ってましたね。

 警察が1日がかりの見守りでなんとか夕方には終わりました。でも、それから見張りがエスカレートして、通る人みんなに“通るな!”って言ってましたね」(前出・古株の住民)

 工事が終わり1か月たつと、道路に「私有地」の文字が書かれ、トラブルが増え、今回の逮捕案件の勃発となった。

市・警察・自治会が今後の対策を

家宅捜索で容疑者宅からイスやペットボトルなどが運び出された
家宅捜索で容疑者宅からイスやペットボトルなどが運び出された
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 現在、平野容疑者が逮捕されたことで、町内は静けさを取り戻している。平野容疑者の妻に話を聞くため訪ねたが、応答はなかった。

「根本的に解決するために、今年になって2回ほど堺市、警察、地元の自治会と、今後どうしていくかという話はしていたんですけどね」

 と前出・捜査関係者。

 自治会関係者も、「平野さんの対策に関して前向きに検討するということで、ようやく市が動き始めましたよ」と、安堵の表情を見せる。

「平野さんが帰って来るまでには市も何とかするということでした。これまで、水路に橋をかけるなら費用は自治会が負担してくださいと言われてましたが。

 警察と自治会と市が協力して、ようやく大きな一歩を踏み出したと思います。何らかの解決策を打ち出し安心して暮らせるようにとのことでした」と抜本的な解決策に期待を寄せる。

 大回りの道は車の通行量が多く、お年寄りや小学生にとっては危険度が増す。たまたま通りかかる人もいる。いきなり怒鳴られれば大ゲンカに発展することだってある。

 トラブルを防ぎ誰もが嫌な思いをすることなく通れる道路を実現するためにも堺市の一刻も早い対策が待たれる。