ほかにも、喫煙率の低下を狙い今年度から導入したのは『健康経営認定制度』だ。

「健康経営事業所に認定されると、公共事業などの入札時の加点や、県内の金融機関から低金利で融資を受けることができます」(前出のがん・生活習慣病対策課)

 この認定を受けるためには厳しい禁煙対策をしなければならないが、昨年12月21日時点で56社が認証を受けた。県が企業を動かし、ケアの届きにくい働き盛り世代の健康サポートを実現した形だ。

 追い上げる青森に、他県ものんびりしてはいられない。

歩かない県民を歩かせる秘策

 お隣の岩手県は、毎月28日を『減塩・適塩の日』と定めている。過去、脳卒中による死亡率が全国1位だったこともあり、高血圧対策としての減塩運動を課題に掲げた。

 同県健康国保課の健康予防担当者は、

「スーパーなどで減塩料理の試食で啓発したり、地元しょうゆメーカーさんと連携し25%塩分カットの減塩しょうゆも販売しています」

 と胸を張る。'14年度から'16年度にかけては、ボランティアが各家庭を訪問しお味噌汁の塩分濃度を測定する『突撃!隣のお味噌汁』を実施していたことも功を奏し、

「'14年に11・8グラムだった県民1人あたりの塩分摂取量が、'16年に10・0グラムと1・8グラムも減少しました。今後は、尿で塩分を測る機器を各家庭に設置してもらい、啓発を進めていきます」(同・担当者)

 前回調査から男性の平均寿命が7位もランクダウンした和歌山県は、歩かない県民をどう歩かせるかに頭をひねる。歩くことを記録するスマホ用のアプリを現在開発中で、2月上旬には完成予定だ。歩数上位者は県専用ホームページに掲載される。

 歩きたくなる街づくりを狙っているのは、新潟県見附市。自然と街を歩きたくなる仕掛けをちりばめているという。

「市民交流センターはさまざまなイベントを企画し、市民交流の場としてご使用いただいています。当市は人口4万人強ですが、交流センターの年間利用者は50万人を超えています」と同市企画調整課。