とはいえ敵は、手を替え品を替えの詐欺集団。コンビニでプリペイドカードを購入させ、そのIDを教えるように要求したり、キャッシュカードから個人情報が漏れていると騙し、暗証番号を聞き出してカードを奪う手口もある。

警察庁の発表をもとに『週刊女性』作成。未遂の振り込め詐欺も含まれる
警察庁の発表をもとに『週刊女性』作成。未遂の振り込め詐欺も含まれる
すべての写真を見る

 警察庁の調べによれば、'16年の特殊詐欺被害者の78・2%は65歳以上の高齢者

「仕事から遠ざかり、家にいることが多く会話が少ない人にとって、詐欺の電話内容は非日常の世界。パニックになってのまれたら負け。詐欺は弱肉強食の構図です。お金を奪う人がいて、自分は奪われる側だから詐欺電話がかかってくるのだと自覚してほしい。受話器を取る前に警戒できれば被害を寄せつけません」

 と前出・佐伯さん。

 振り込め詐欺認知件数が全国一少ないのは宮崎県。鹿児島県の隣接県だが、防犯と方言は関係ないという。

「標準語の電話であれば、本人ではないと見破ることもありますが、絶対的な阻止になるとは思わない」(宮崎県警生活安全企画課の担当者)

 と、多方面で協力を取りつけ被害を未然に防ぐ抑止政策を展開しているという。

「金融機関で高齢者が高額の金額を引き出した際は警察に連絡が来る仕組みになっています。宅配業者とも協定を結びました」(同担当者)

 方言が詐欺撲滅に役立つ場合もある。しかしすべての特殊詐欺が防げるわけではない。

 騙されないためには、普段から警察の注意喚起やニュースが伝える詐欺の手口を注視することが有効だ。