一方で、政府内でもお代替わりに向けた動きが本格化している。1月9日には、陛下の退位や皇太子さまの即位に関する式典などのあり方を話し合う準備委員会の初会合が開かれた。

「菅義偉官房長官をトップとして、山本信一郎宮内庁長官も含むメンバーで、月1回ペースの会合が行われ、3月中旬に基本方針をまとめる予定だそうです。出席者からは、即位の礼に関して、“現在の陛下の例を踏まえた基本的な考え方や内容を踏襲するべきだ”などの意見が出ています」(皇室担当記者)

 約200年ぶりの退位に関する具体的な話が進行する中、皇后としての雅子さまの「お仕事」に対して不安の声がまだ聞かれるという。

昨夏以降は、地方訪問を何度もこなされるなど公務へのお出ましが増えているといっても、数的には美智子さまより少ないのが現状です。

 お代替わりのあと、“平成流”をきちんと受け継げるのかについて疑問の声も上がっています」(同・皇室担当記者)

 美智子さまの膨大な量の公務を皇后として引き継いでいくことは、療養中の雅子さまには難しいように思える。そんな中、皇太子ご夫妻は両陛下の意志を引き継ぎながらもご自分たちの“新スタイル”を検討しているという。

「お代替わり後、ご夫妻は両陛下の現在の公務を引き継ぎながら、おのおので別々の公務を担当するというスタイルを視野に入れておられるようです。具体的には、皇太子さまが天皇としての公務をなされる一方で、雅子さまがグローバルな公務を担われる“共働き”という形のようです」(東宮に近い人物)

 現在、陛下と美智子さまはおふたりでお出ましになるという形が定着しているが、皇太子ご夫妻は、あえて公務を分担することをお考えになっているというのだ。

コンサートなどへのおふたりでのおでましは定着している(1月15日、都内で)
コンサートなどへのおふたりでのおでましは定着している(1月15日、都内で)

 この試みについて、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさんはこう話す。

「今の両陛下は、公務の際などにおふたりでお出ましになることが当たり前になっていますし、それが“平成流”として浸透しています。

 雅子さまは、最近お元気なご様子ですが、まだ療養中であるので、お代替わりのあとに美智子さまのように、すべての公務にお出ましすることは難しいかもしれません。

 その状況を鑑みて、公務を皇太子さまと分担することになれば、ご負担も軽減されるので、雅子さまにとっても好ましい方法だと思います」