警護人材をスカウト
必要資格はないが、そもそも警備員になるには警備業法において、新任の場合には基本教育15時間、業務別教育15時間の30時間以上、現任であれば8時間以上の法定研修が必要で、教育を受けなければ現場に出ることはできない。身辺警護員にはさらに、各組織で護身術や対刃物などの対人訓練などが行われる。
「警護業界は大きく分けて、警察OB、空手経験者や元格闘家、そしてプロテクションスクールなどの専門学校出身者で成り立っています。未経験者が身辺警護につくことは難しく、弊社では一般募集することはまずない。ネットワークを通じて武道経験者や有段者らに“いい人材はいないか”と、スカウトに出向き適性を判断します」
適した制服はスーツ
「黒や紺、チャコールグレーなど目立たない色のダーク系のスーツを着用します。ですが、例えば現場がプライベートなゴルフ場など、威圧的な警備が向かない場合は警護員も私服で同行します。とはいえドレスコードのあるパーティー会場なども多いため、スーツがいちばん溶け込みやすいということです」
丸腰である必要なし
届け出をすれば、警備員は警備業法に基づいた特殊警棒を所持、携帯できる。ただ警護員は格闘技や護身術などの“見えない武器”を所持しているため、警棒の使用不使用は各社の方針による。というのも、警棒所持はこんな弊害を引き起こすことも。
「裁判所や空港の金属探知機に警棒が引っかかって時間がかかることもあるのです。あらかじめ現場に届け出を出すこともできますが、クライアントに煩わしさを感じさせないことを第一としています」
身代わりの盾になる
「未然に危険を防ぐことが一番ですが、クライアントの安全が第一ですので、身代わりになることも役目です」
命運握るチーム連携
「例えば2名でのフォーメーションは、警護対象者の前と後ろで斜めに対角線上になるようにつきます。前方が暴漢を押さえて、その間に後方が対象者を安全な場所に誘導する、という役割です」
当然、人員は多いにこしたことはなく、総理大臣にはSPが7人つくことも。
一般人の場合は経済的な理由もあってか、1名か2名が通常のよう。
「4名いれば対角線上に囲む、ボックスフォーメーションを組み、より対象者の安全を保つことができます。後方をリーダーが務めて前方に若い人間がつくのが普通ですね。リーダーは後ろから対象者の前後左右を確認して、周囲に指示をしてチームをコントロールします」
敏腕BGは高給取り
「具体的な数字は控えさせていただきますが(苦笑)、経験や実績、スキルによって変動します。一般的な職種よりは高いと思いますよ」