あの名女優をイメージした役作り
「最近は(ドラマ『精霊の守り人』など)強い役が続いていたので、強くなりすぎないように気をつけました(笑)。オードリー・ヘップバーンさんの作品をいっぱい見て立ち方、歩き方、所作をイメージして。そのうえでなるべく王女っぽく見えるように凛(りん)としたたたずまいでいるようにしました」
監督も“綾瀬はるか史上、最高に美しく撮りたい”というのを目標にしていたんだとか。そんな彼女が身に纏(まと)う衣装は、モノクロ映画の白黒世界のドレスから始まり、なんと25種類。
「メイクもヘアスタイルも衣装も、スタッフのみなさんが王女に見えるように作ってくださって。どのお洋服もカラフルで美しくて、好きです」
劇中では映画監督を夢見る青年・健司(坂口健太郎)と恋に落ちる。だが、2人はワケあってお互いにふれたいのに、ふれることができない。
「もし自分だったら……? うっかりさわっちゃいそうです(笑)。さわらないでずっと一緒にいるっていうのは、考えるとすごく大変なこと。わざわざ大変なほうに行かなくてもいいのになって。でも、それが恋ってことなのかな(笑)。お互いのため、別の幸せを見つけるというのも、ひとつの美しい決断なのかなとも思います」
相手のためなら、たとえ恋のライバルでも、その人に好きな人を譲れる?
「それは考えたことなかった(笑)。う~ん……。好きな人とその相手の人の思いが自分よりも強かったら譲ると思います。あと、自分よりもその人といるほうが幸せなのかもって思ったら譲ります!」
オトコマエで、カッコいい(笑)。
「結局はお互いの“この人だけだ”っていう気持ちが大切なのかと。その思いがひとつに重なったら、それは本当にいい選択なんだなって。映画の2人も途中で迷ったり心が折れそうになるけど、“この人だ”と決めて進む覚悟の美しさは、何か心を動かされるものがありましたね」