石原の演技に魅了
現在も、放送中のドラマ『アンナチュラル』(TBS系)に主演しているけれど、
「この作品は、石原さんのために脚本が書かれたものでした。そのため、彼女の意向に沿うかたちで撮影を進めることができた。舞台に支障が出ないようにということで、昨年末にはすでに撮影が終わっていたんです」(テレビ誌ライター)
撮影が終わると、すぐに舞台稽古は始まった。“アジアで2番目にしつこい演出家”と自ら豪語する鄭はワンシーン、セリフのひとつひとつにしつこいほど丁寧に演出をつける。
しかし石原は、そんな鄭に食らいつくように稽古に励んだ。
「石原さんは台本の書き込みがすごくて、鄭さんの言葉はもちろん、稽古場のキャストからの言葉も台本にびっしりメモをとるんです。台本がすぐに書き込みでいっぱいになってしまって、“2冊目の台本をください”とスタッフにお願いしていたほどです」(舞台関係者)
長い稽古期間には、出演者同士で飲みに行くことも珍しくない。しかし、今回はというと……。
「稽古中は出演者同士で飲みに行くこともなく帰宅。演出家が役者を追い詰めていくタイプなので、稽古場に緊張感があり、自然とそうはならなかったようです」(同・舞台関係者)
石原の奮闘を間近で見ていた共演者の鈴木浩介も、“こんな女優はいない”と驚いていたという。
「舞台が始まってから石原さんは毎日、先輩俳優の鈴木さんや山内圭哉さんの楽屋を訪れて、“もっとこうしたら”というアドバイスをもらってから本番に挑んでいます。そのおかげでいいコンディションで演技ができているようです」(前出・スポーツ紙記者)
2月2日の初演以降、連日多くの観客が劇場を訪れている。月9『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)での石原のファッションをまねた20代の若いグループから、オペラグラス持参の目の肥えた40代~50代まで、女性の目立つ客席の多くが石原の演技に魅了されていた。
「会場の東京芸術劇場では出待ちは禁止。それでも舞台を見たファンはひと目でも石原さんを見たくて、初日から毎日、出演者の移動車が出て行く楽屋口に集まってしまうんです。
でも、ファンのみんなが“さとみちゃん、お疲れさま!”って声をかけると、わざわざ車の窓を開けて“ありがとうございました!”って、ひとりひとりの顔を見ながらゆっくり手を振ってくれるんです。それだけ、今回の舞台に思い入れが強くて、ファンのことを大事にしているんだと思います」(前出・舞台関係者)
舞台への強いこだわりは、これからも決して消えることはないだろう。