友達になったら一緒になにかやりたい
「好奇心が強いんですよね。せっかくだったらやろうよという感覚が子どものころからあって。誰かと友達になるだけではちょっと寂しいというか。フィーリングさえ合えば、なにか一緒にやったら楽しいかも! と思うことが常だったんです。そうやって出会えたのが、ジュンスカだったり、ユニコーンの(奥田)民生くんだったり、桜井だったり。案外、計算しない縁のほうが、長く付き合える気がしますね」
昨年話題となったお笑い芸人はなわの『お義父さん』も寺岡がプロデュースをしている。誕生のきっかけは、10年来の友人であるはなわから、奥さんにサプライズで歌をプレゼントしたいと相談されたことから。
「彼に会って、話を聞いているうちに、奥さんが、1度も会ったことのないお義父さんの曲がいいんじゃないかと思えてきて。そんな曲、今までの日本にないよねって話したんです」
寺岡のプロデューサーとしてのスタイルは、アーティストとコミュニケーションをとる中で、その人をいちばん輝かせることができる表現を探していくというもの。はなわの『お義父さん』、植村花菜の『トイレの神様』という大ヒットソングがまさに、その例だ。
今年、ジュンスカ30周年、ソロ活動25周年に加え、さらに自身も五十路を迎えた。
「幸せなことですよね。この間も、シンガー・ソングライターのKANさんと、あとどれくらいできるか全然想像できないから、今のうちやりたいことをやっておかないと後悔をするよねって話になって。もちろん20歳のころのように“なんとかなる”という気楽さはないので、ひとつひとつを楽しみながら、“まだまだいけるでしょ!”っていうトライアルを続けていきたいなと思います。
もう僕らの年齢だと、いいものができたら……なんて考えていたら、永遠に出せないと思うんで、とにかく作ることだなと。常に“青臭さ”を意識していきたいですね。僕、やんちゃでいたいんです」