藤井聡太六段の快進撃に、永世七冠を成し遂げた羽生善治竜王は、国民栄誉賞を受賞。いま、日本列島は、空前の将棋ブームに沸いているだけに、ここは話題についていきたいところ。将棋を全く知らないという人は、まず基礎知識から覚えてみよう。

そもそも将棋って?

 9×9からなる将棋盤の81個のマス目の上で、それぞれが同じ駒を20枚ずつ使い、交互に動かしていくゲーム。将棋の駒は8種類あり、王将1枚、飛車1枚、角行1枚、金将2枚、銀将2枚、桂馬2枚、香車2枚、歩兵9枚の計20枚を用いて対局を行う。どちらかの王将が、相手に取られることが避けられなくなる(詰む)と勝敗が決まる。

 各駒は動ける範囲が決まっているが、基本動作はたった4つ。“進む”“(相手の駒を)取る”“成る(=自分の駒が相手の陣地に入ると裏返り、動ける範囲が拡大する)”“(相手から取った手元にある駒を)打つ”しかない。この4動作を駆使しながら、相手の王将を取りにいくのだ。

プロ棋士って何人いるの?

 現在、現役のプロ棋士は約160名。プロは四段以上で、その段位は九段まである。プロ棋士になるためには、『奨励会』というプロ棋士養成機関に入会しなければならない。

奨励会って何?

 

 入会試験は年に1度、8月に開催されている。19歳以下で、プロ棋士からの推薦を得た人であれば、入会試験を受けられる。

「入会希望者は、30〜40人くらい。一次試験は入会希望者同士での対局です。勝ち抜ければ二次試験。現役の奨励会員と3局指し、1勝でも上げられたら入会できます。合格は1〜2割くらいですね」(元奨励会員の荒木隆さん)

 

 藤井六段は小学4年生で入会。6級から始まり、三段まで上がると、半年に1度行われる『三段リーグ』で戦う。そこで勝ち抜いた2名だけが四段に昇段し、プロ棋士に。

 ただし、厳しい年齢制限がある。満21歳の誕生日までに初段、さらに満26歳の誕生日を含むリーグ終了時までに四段になれなければ、退会となる(26歳となっても三段リーグで勝ち越せば、満29歳まで延長可能)。

「神童、天才と謳われて奨励会の門をくぐっても、プロになれるのは約2割。本当に厳しい世界です」(松本さん)