伊藤沙莉 撮影/廣瀬靖士

「私“無料体験女”なんです(笑)。空手も水泳もピアノも、体験授業があると親に連れていってもらったりして。そうやって好奇心から始めたもので唯一、続いているのがお芝居。昔から続けてきたことだから、家族も応援してくれてるんだと思います」

 20代にして存在感を放つ女優・伊藤沙莉(23)。子役時代のいじめっ子役も印象深いが、最近では昨年の朝ドラ『ひよっこ』で米屋の娘・米子を演じて話題に。彼女といえば、そのハスキー声が魅力的!!

私はこの声、好き……ではないです。悪くはないんじゃないかって思えるようになってきたのも最近のこと。というのも、声で覚えてもらえることが増えたので。でも、かわいいセリフが本当に似合わないんですよね(笑)」

 9歳でデビューし、現在23歳。そんな彼女には、子役時代からやめられないクセがあるそうで、

実は“エゴサーチ魔”(笑)。正直、落ち込むこともあるけど、マイナスな意見もないと。間違った自信がつくのも嫌なので。小4からやってるから、まぁ強くなりました。でもエゴサーチ以外では、シャボン玉メンタルです

 なんとお兄ちゃんは芸人!

「兄と姉がいるんですが、お兄ちゃんは吉本所属の芸人なんです。昔から映画や音楽の趣味がよく合うこともあって、私はそんなお兄ちゃんの漫才が大好き。だからライブもよく見に行ってます!」

 目指す女優像は、

「ネガティブに聞こえるかもしれないけど、私はまっとうな清純派でもなくて、そこを目指してもないんです。番手にはこだわらず、むしろ主軸というよりも“いなきゃダメ”な人になりたい。“この人が出るんだったら見よう”とか、そう思ってもらえる女優さんになりたいです!!」

親友・松岡茉優と、大好きなモーニング娘。

松岡は親友であり戦友です。彼女のお芝居を見て、ぶつけようのない嫉妬芯がわくときが幸せです。(松岡主演の)『勝手にふるえてろ』を見たときは、勝手に震えましたもん(笑)。松岡とはもっぱらモーニング娘。さんの話で盛り上がります。カラオケも、もちろんモーニング娘。メドレー。しかもお互いに歌いたいフレーズを心得てるので、そこに自分の番が来てしまったら“どうぞ”って譲り合います(笑)」

 モー娘。とは松岡主演のドラマ『その「おこだわり」私にもくれよ!!』で共演。幼いころからモー娘。に憧れていたという伊藤だが、熱烈なファンだった松岡の影響により、完全なファンに仕立てあげられたとか。

「巷(ちまた)では“松岡が3年がかりで私をモー娘。ファンにした”と言われてますが、なんなら1日仕込み。春コンに行くときの前夜から翌日の朝にかけて一夜漬けでこれまでのDVDをすごい勢いで見せられて、そこで洗脳されました。でも、松岡に追いつけはしない。あの熱には!」

 そんな2人の絆は固く、

「松岡から“アルバム今日発売だよ”って連絡が来て“あ、すみません。忘れてました!”って返事をする、まるで師弟関係です(笑)。それに私がお仕事で、どぅー(工藤遥)の卒業公演に行けなかったときがあるんです。かなり落ち込んでいたら、松岡がグッズを一式買ってきてくれたんですよ

 基本はハコ推しという伊藤だが、中でもお気に入りは、まーちゃんこと佐藤優樹。

「本当のところはわからないんですけど、たぶん、まーちゃんって自信があるタイプではないと思うんです。“天才、天才”って言われてるけど、陰の努力がハンパないんだろうな。その努力をほかに見せず、あるときパーンと才能として発揮するカッコよさはすごい尊敬しています。モーニング娘。さんはみなさんどこで習うんだろってくらいに表現力がすごい! その堂々たる感じは、同じ表現者としてすごく勉強させられますね」

プロフィール◎いとう・さいり 子役時代『女王の教室』ほか、数多くの作品で存在感を示し活躍。近年はドラマ『ひよっこ』『北斗』『隣の家族は青く見える』、映画『獣道』では主演を務め、『榎田貿易堂』『寝ても覚めても』の公開が控えている。4月からオトナの土ドラ『いつまでも白い羽根』(東海テレビ・フジテレビ系、土23時40分~)に出演。