東京都環境局自然環境部 計画課森林再生係の担当者に聞いてみると、飼育はおろか、“保護行為”でさえも法律で禁じられているという。
「国が定めている『鳥獣保護管理法』により、野鳥を捕まえたり、一般家庭で飼育することは禁じられています。路上などで傷ついていた野鳥を保護すること自体も禁止されているので、そういった場合は、各都道府県の環境局などに連絡していただかなければなりません。
『鳥獣保護管理法』の中の規定で、野鳥を許可なく捕まえた場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。飼育した場合は、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります」
これにモトが該当する可能性もあるのだが、そもそもなぜ、野鳥の保護や飼育が禁じられているのか。
『日本野鳥の会』自然保護室の葉山政治さんに話を聞いた。
「大前提の考え方として、スズメやハトのような野鳥は、日本の生態系を構成する重要な要素であり、国民全体のものなので、大切にしなければなりません。さらに、野生の生き物は野外で暮らすことが自然な姿であって、それを人間が捕まえて閉じ込めることは好ましくないと考えられています」
仮にケガをした野鳥を見つけた場合は、各都道府県の担当局に連絡したあとに、鳥に関する研修を受けたボランティア団体などに預けるなどの方法があるという。
葉山さんは、野鳥の保護や飼育に関して、こんなリスクがあると指摘する。
「野生の生き物を個人が勝手に捕獲し、飼育してもいいとなると、いっさいの歯止めがなくなって売買する人が出てきます。それが産業に発展して、絶滅のおそれのある状態にまでなってしまう危険性があるのです」