最終的には子どもに親を超えてほしい

『子育てで絶対やってはいけない35のこと』アグネス・チャン、金子アーサー和平=著(三笠書房/税込み1404円)※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします
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 日本では子育ての主力は、圧倒的に母親。しかし本著は父親も参考にしやすいつくりとなっています。

「前著の『スタンフォード大に3人の息子を合格させた50の教育法』では、やってほしいことを書きました。でも今回は『これだけはダメ』ということを書いていますから、入りやすいのでは? 子育てにはノータッチなお父さんでも、わざと子どもを傷つけたい人はいませんからね。ぜひご夫婦で読んでほしいです」

 アグネスさんが提案する、最終的な子育ての到達点は、子どもが親を超えること。

愛するわが子は一生守りたいけど、それは不可能です。自立した子どもに、大人を超えてもらわないと、社会の進歩はありません

 息子たちはもう、自分を超えた部分がたくさんあると笑うアグネスさん。そう胸を張って言える子育て、憧れます!

ライターは見た! 著者の素顔

「長男出産時、国際結婚だから価値観の違いは否めない。だから子育てで何かを決められないときは、誰が最終決定権を持つかを夫と話し合いました」。もちろん、最終決定権を持ったのはアグネスさん。「私が決められるのはうれしかったけど、結果的に彼の意見をたくさん聞かなければいけない立場になりましたね。だから、彼の意見のほうがよく通ったと思います(笑)」。夫は頭がいいの、と明るく言う姿に、子育て後も夫婦でハッピーな様子を垣間見ました。

<プロフィール>
あぐねす・ちゃん◎1955年生まれ。香港出身。'72年『ひなげしの花』で日本デビュー。カナダのトロント大学で社会児童心理学を学び、‘89年より米国スタンフォード大学教育学部博士課程に留学し、教育学博士号を取得。歌手、エッセイスト、日本ユニセフ協会大使など幅広く活躍中。

(取材・文/中尾巴)