今回、稲垣、草なぎ、香取の3人が参加した「パラ駅伝 in TOKYO 2018」のホームページには、「あなたは、何をつなぐ?」という言葉がある。

「障がいのある人もない人も、チームがひとつのタスキをつないで駆け抜ける」ことがパラ駅伝の趣旨で、その先には「すべての人がスポーツを心から楽しめる社会へつなげる」という思いがあるのだという。

 そして、それは大会タイトルにもあった通り、あと2年後に迫ったオリンピック、パラリンピックの開催地である“東京“がいま最も向き合うべき課題なのではないか。

 しかし今回は結果的に、イベントの様子や以前から継続的にパラスポーツを応援している3人のナマの声を、首都圏の視聴者ではなく、地方の視聴者ほど多く見聞きしていたということになった。

 東京でのイベントを、2020年の明るい未来につなげようとする人々の挑戦を、在京キー局よりも遠く離れた地方ローカル局ほど熱心に取り上げ、視聴者に届けていたというのが、今のテレビを取り巻くひとつの事実である。


乗田綾子(のりた・あやこ)◎フリーライター。1983年生まれ。筆名・小娘で、2012年にブログ『小娘のつれづれ』をスタートし、アイドルや音楽を中心に執筆。主な寄稿に『HELLO! PROJECT COMPLETE ALBUM BOOK』(CDジャーナルムック)等。その他、雑誌『CDジャーナル』『EX大衆』、ウェブメディア『マイナビニュース』『KAI-YOU』などで執筆。著書に『SMAPと、とあるファンの物語』(双葉社)がある。Twitter/ @drifter_2181