3時間ほどして食事会は終了。関口は、同席していた人たちと連れ立って店から出てきた。そして、挨拶を交わすと、マネージャーなどスタッフ数名と一緒に歩き出した。西田の体調について話を聞くため、送迎の車に乗り込んだ関口を直撃。
突然の取材に驚いた様子だったが、雨の降る中、窓を少し開けて質問に答えてくれた。
ーー奥さまが体調を崩して、寝込んでいるそうですが?
「あぁ……。身体を壊していた時期はあったけど、今は元気ですよ」
“今は元気”ということを強調するかのように、西田の体調不良を否定した。
普段、テレビでニュースを鋭く解説するときとは打って変わって、静かな口調だった。やはり、妻の体調というデリケートな話題だけに、慎重に言葉を選ばざるをえないのだろう。
ーー関口さんおひとりで、奥さまの介護をされているそうですが?
「…………。全然そんなことはありませんよ」
介護の話題を出すと、少し考え込んでから答えた。室内で療養生活を送っているとすれば、常に誰かが付き添う必要がある。多忙な関口に代わって、西田の身の回りの世話をするスタッフが常駐しているのかもしれない。息子の知宏と一緒に住んでいるかも尋ねてみたが、否定した。
さらに質問を続けようとしたが、車の窓を閉めるとそのまま走り去ってしまった。人前では、答えにくい事情もあったのだろう。
改めて、所属事務所にも西田の体調について問い合わせたところ、
「奥さまが寝込まれていることはありません」
とのことだった。
関口は過去の雑誌のインタビューで、夫婦の関係について語っていたことがある。
《円満の秘訣なんて特にないけど、しいていえば、お互いに相似形になるように努力してきたということでしょうか》
互いにずっといたわり、支えあってきたふたり。これからも、関口が妻を支えて、彼女の体調が回復することを願うばかりだ。