交際宣言、結婚発表、妊娠発表、出産報告、離婚発表……。
芸能人は、何か事あるたびに世間に向けて発表、報告しなければならない。法律で決まっているわけでもないし、政治家の説明責任のような重いものではないが、まるで芸能人の義務であるかのようになっている。
「もちろん、なかには一切やらない人もいますが、たいていの芸能人の方は何らかの形で報告や発表をします。記者会見は少なくなりましたが」(スポーツ紙記者)
そのときに必ずといっていいほど、浮かび上がる疑問がある。それは、“タイミング”だ。
「何かの発表があると、なぜこの時期に、この日に、このタイミングでということが必ず話題になります」(前出・スポーツ紙記者)
その“タイミング”には何かしら理由があるはずだ。
「交際宣言や妊娠・出産のケースは解りやすいです。ずばり、発覚したからです。隠していた交際が、週刊誌やスポーツ紙にキャッチされたら、本や新聞が発売される前後ですね。
妊娠や出産は、隠していてもいずれはバレますが、安定期に入ってからだとか、退院したときですかね」(ワイドショースタッフ)
離婚発表はいろいろと思惑が入ってくる。今ではよく知られている話だが、
「当人たちはできれば知られたくないというのが本音です。発表はしても、騒がれるのはなるべく避けたい。だから、なにか大きな事件が起きたり、国家的な行事があったりして、自分たちに目が向かないとき。
または年末ですね。年末は週刊誌も休みですし、テレビも特番が多くなってワイドショーも休みになりますから。また年内に身辺を整理して新しい年を迎えたいという気持ちがあるからでしょう」(前出・ワイドショースタッフ)
これが結婚・入籍のタイミングを予測するとなると、いささか難しくなる。
「結婚秒読みとか言われていても、実際に入籍する日を当てるのはそう簡単ではありません。大安の日であることは間違いないんですが(笑)」(前出・スポーツ紙記者)
そして、この“タイミング”に困っている人たちがいる。
「“どうしてこのタイミングなの?”と、よく質問されます。
“誕生日説”と、“30・29歳”説(女性が30歳を前に結婚を決めるとされる説)などありますが、私たちはいろいろな情報を集め、分析して答えを出すのです。
それでも“推測、憶測でしょ”、と言われちゃうことが多いです。たしかに推測、憶測ですが、そう言われちゃうと身も蓋もない(笑)」(芸能レポーター)
“タイミング”は芸能レポーター泣かせだった⁉
「囲み取材があるときには質問して答えてもらえる場合もありますが、FAXで通知されるときなどは、そこまで親切じゃないですからね。
これからは発表のときに、その日と決めた理由も付け加えてもらえるとありがたいんですが。それじゃあ私たちの出番がなくなっちゃうか(笑)」(前出・芸能レポーター)
ちなみに、宮沢りえ・森田剛の場合だが、昨年3月にりえが実の父親のように慕っていたアートディレクターの長友啓典さんが亡くなっている。喪が明けないうちは結婚はないだろうと思っていたので、喪が明けた後の平日で大安ということで、16日になったのではないかと思われる。
あくまで私の“推測”ですが。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。