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ー 「人間味がぎゅうぎゅうに詰まっている」
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ー 最近の“悲劇”と“ハマリごと”

「シェイクスピア作品は、この仕事をしている以上は、いつか自分も、という思いはありました。お話をいただいたときは“本当に自分で大丈夫かな”とも思いましたが、今は“生半可な気持ちでやったら絶対にダメだ”と気合が入っています」

 NHK朝ドラ『虎に翼』の好演で注目度急上昇中の井上祐貴が、シェイクスピアの四大悲劇『マクベス』に出演する心境を語った。

「人間味がぎゅうぎゅうに詰まっている」

 父をマクベスに殺され、復讐を企てるマルカム役を演じる。彼の魅力を、

「父親を殺されたら、衝動的に復讐に突っ走ってもおかしくないと思うんです。でも彼はいったん逃げたように見せて、長期的な計画を練って復讐しようとする。その上で自分の利益のことも計算していて、とても冷静で、賢い男だなと思います」

 と話し、

「『マクベス』は、今の僕の中ですごく大きいです。この舞台の後のことは、あまり考えられないくらい。失敗を恐れず丁寧に演じながら、できるだけ多くのものを吸収したいなと思っています。シェイクスピア作品の力強さが伝わる、見てよかったと思っていただける作品の一部になれるように頑張ります!」

 と意気込んだ。シェイクスピア作品というと、なじみのない人にとってはハードルが高いように思うが、

「難しいイメージがあるのは、仕方がないと思います。実際に難解な言葉も出てくるし、登場人物の名前も聞きなじみがないものですし……。でも作品としては、とても人間味のあるひとりの男の物語なんです。人間味がぎゅうぎゅうに詰まっている作品というか。それを念頭に見てくださったら、きっと楽しんでいただけると思います」