この技術が進めば、AIが学んだ人格により、その持ち主が亡くなったあとも会話を交わすことが可能になる。あるいは、作家の死によって未完に終わった作品を、人工知能が続きを書いて完結させられるかもしれない。

 AIの登場で、機械と人間さながらの会話が楽しめるようになったサービスの代表例が『チャットボット』だ。LINEなどでメッセージを送るとAIが会話の趣旨を理解し、自動で返事をしてくれる。

運命の相手探しもサポート

 例えば、マイクロソフトが開発した女子高生AI『りんな』の場合。

「“好きな人がいる”と書き込むと、“同じクラスの人?”“目が合うとすぐにそらされる?”などの質問をしてきて、恋愛相談にも乗ってくれます。また、“お腹がすいた”と言うと、おいしそうな食べ物の画像を送ってきて意地悪をしたりと、いかにも女子高生らしいやりとりを展開してくれます」(三上さん)

 チャットボットは、商品の使い方や不具合などの相談に乗ってくれる、企業のカスタマーサポートの分野でも活用されている。雑談やゲームをしてくれるアカウントもあり、気分転換にはもってこいだ。

 AIの進化はこれだけにとどまらない。アプリを使った出会い系や婚活サービスで「運命の相手」探しをサポートしてくれるのだ。

 従来であれば、自分の趣味や異性の好みなどを書き込んだプロフィールを作って公表し、相手から興味を持たれたら交流が始まるというパターンが一般的だった。

 しかし、AIの活用で、どんな傾向を持った男性と女性がマッチングしやすいのかを自動で判断してくれるように。マッチングしやすい、相性のいい異性をおすすめしてくれるため、以前よりも効率よく出会えるチャンスが高まった。

 この「マッチング技術」は、雇用形態や働き方が多様化するなかで、普段はつながる機会の少ない分野の人と出会える“ビジネスマッチング・アプリ”にも活用。AIによって、さまざまなパートナーを世界中から探せる時代になってきているのだ。