いま、テレビで見かけない日はないぐらい大活躍の芸人、バイきんぐ・小峠英二。スキンヘッドと、どこか“おじいちゃん”然としたルックスだ。
「現在は、いじられた時などの『キレ芸』などがウケてます。キレてる時の顔と、笑ったときのクシャっとした顔、そのギャップもなかなかいいですよね」
と、あるテレビ誌記者は言う。
「もともとは、2012年の『キングオブコント』で優勝したことがブレイクのきっかけでした。その時のコントのフレーズ『なんて日だ!』は、流行語になり、小峠さんが番組に出演すると、共演者たちが『なんて日だ!』と言わせるための流れを作るほどでした。でも今は、そのフレーズを言わなくてもいろんな番組でキレまくりのツッコミを披露しています」
小峠が、フリに応じて「なんて日だ!」を連呼するころ、彼の注目をさらにあげたのが、元タレントの坂口杏里との熱愛・破局騒動だ。前出のテレビ誌記者は言う。
「彼女の数々の行動や言動が、世間をドン引きさせるほど破天荒だったことは大きい。破局後、とどめのように坂口はセクシービデオに出演し、それが発売日されると『小峠さん、今の気分は?』『なんて日だ!』と言わされることが何回もありました。そこから、ただただキレ芸を見せる人だけでなく、ちょっと哀愁を帯びた。それが、一気に愛される存在になったきっかけなのではと思います」
小峠の現在のバラエティ需要について、ある放送作家はこう言う。
「彼はツッコミといじられの両方ができる。これが強いと思います。バラエティの企画を考えるとき、小峠さんを入れるととてもやりやすい。番組MCにいじられればキレて、ひな壇に座っている場合は共演者にもツッコんでくれる。小峠さんがいれば、なんとでも番組が進行できるという安心感はあります」
小峠のツッコむスタイルも、現在のバラエティに合っているのではないかと、同放送作家は続ける。
「VTRを見る番組は、VTR明けに感想を言って“ひと笑い”だけ欲しい。近年のバラエティはコンパクトに作っていて、余計な笑いは必要なく同じことを何度も繰り返すことで笑いを取る、“天丼”などの関西ノリから、若干、変わってきていると思います。ですから、ツッコミやノリツッコミよりも、一言キレて笑わせてくれる小峠さんの存在は、今のテレビ番組の流れとしてもぴったりなんだと思います」
そして人柄のよさも評判アリのようで、
「真面目というか、派手なことはあまりしないイメージもいいですよね。坂口さんのことも含めて(笑)。彼には悪い噂はありませんから」
小峠のキレ芸需要は、しばらく引くことはなさそうだ。
<取材・文/渋谷恭太郎>