容疑者が住む分譲マンションは、今から約30年前の1988(昭和63)年に建った。
「私がこの近くに引っ越してきてからずっと悪いことをされていますね」
と古参住民が話す。
「駅が近いので立地条件はすごくいいんですけどね。以前、(容疑者の)上の階に住んでいた人、娘さんが3人くらいいた家族でしたけど、騒音に耐えられずに出ていきました。下の階の人も、小さい息子さん2人が怖がって出ていきました」
思い込みで勝手に決めつけ、言いがかりをつけてくる。中古でマンションを購入した住人に対しては、
「安く買いやがって!」
などとケチをつけ、根拠のない的はずれな購入額を連呼することも。
「関わらないようにするしかないでしょう。うかつに言って復讐されても困るから」
と近隣主婦は声を潜める。
数年前、“スパッツ紛失トラブル”があった。
「(容疑者が)洗濯して干していたスパッツが風に飛ばされたのか、なくなったことがあったんですが、本人は1階の人が盗んだものと思い込んでいる。下の階の人、全員に確認したところ、どこにもないとなったんですけど、いきなり“スパッツ落ちたのに返さない。返せ!返せ!ドロボー”ですからね。“素材がいいから盗んだんだろう”とか聞く耳を持たないんです」
そう話すご近所さんは、両手でお手上げのポーズを作る。
なかでも最も被害を受けたのが、階下の住人だ。
「下の人に、何の恨みがあるんですかね」
周辺住民がそう口にするほど、罵詈雑言を浴びせたり、石を投げたり、ツバを吐いたりしている。怪しげな雲行きは、引っ越し直後からあったという。階下の住人の苦悩を近所の主婦が代弁する。