リンちゃんの両親を前に、「事件を知ったときは面倒くさいことになったと思った」「捜索活動は依頼されていないからやらなかった」などと開き直る一幕もあった。
14日の被告人質問では非常識な謝罪も飛び出した。弁護士から「何か言いたいことはありますか」と振られると、「あります。リンちゃんのご両親に言いたいことがあります」と声をうわずらせ、「私が犯人だと思われている中で、私が行った募金を受け取ってくださってありがとうございます」と述べた。それが最初に言いたいことだった。
「見守り活動をしていたのに守ることができなくてすみません」と続け、目元をぬぐうしぐさを見せた。
リンちゃんの両親を責める被告
ところが……。
「被告を真横から見ていたが、目元に水みたいなものは見えなかった」(被害者側弁護人)
と“ウソ泣き疑惑”が浮上。同じ日の午後に行われた検察側の尋問では、もしいなくなったのが自分の娘だったら捜索に協力してもらえなかったときにどう思うかと問われ、
「登校中なら親が悪い。校内なら教員が悪い。(リンちゃんの事件は)通学途中のことなので親の責任だ」
あろうことか、リンちゃんの両親を批判し始めた。また、自分の娘が性的な被害を受けて殺害されたら許せるかと問われると、
「許すことはできません……。なので私は子どもと一緒に学校に行っています」
と言い放った。
これには裁判長も驚いたようで、「午前中は“見守り活動で守れなくてすみません”と言っていたが矛盾するのではないか」と真意を尋ねた。
すると渋谷被告は、
「見守り活動をしていたのに見守れなかったので謝りました。親がボランティアのところまで連れてくれば見守る。連れてこられなければ見守れない。だから親の責任です」
と、再び両親を責めた。裁判長が「子どもを殺害された親に言っていいことではないのでは」と苦言を呈すると、
「(親が)守っていればこんなことにはならなかったと思う。事件当日、リンちゃんのお父さんは仕事に行く前に時間があったと聞いたので送っていけた。ひとりで行かせたから事件に遭った」と全く態度を改めようとしなかった。