襲撃する交番は事件前に何度か訪ね、殺害された所長の稲泉健一警視(46=2階級特進)との面識もあったという。
島津容疑者が下見をしていたことは、裏口から交番を訪ねていることからうかがえる。
「裏口があるなんて、全然知らなかったです。交番のすぐ近くに住む人じゃないと知らないんじゃないですか」
と地元の男性住民(40代)も犯行の計画性を感じ取る。
島津容疑者は裏口から侵入し、ナイフで稲泉警視をめった刺しにした。
富山県警は「全部含めると30数か所。深いもので13センチの傷で、内臓に達していた」と明かした。
交番にはもうひとり、相談員(60代の県警OB)がいた。すぐ交番前の美容院に駆け込み、110番通報を要請した。
「その間、島津容疑者は奪った拳銃を構えながら、まるで戦地の敵施設内を索敵するように数分間滞在。その姿が防犯カメラに残されていたそうです」(全国紙社会部記者)
交番から小学校までは、直線距離で約80メートル。だが島津容疑者は直接向かわずに、住宅街の路地や地元の人もほとんど通らない農道に姿を隠した。駆けつけた警察官のほとんどは大通りにいたため、細い通りに逃げ込んだ島津容疑者には好都合だった。
2万円するイスラエル軍の止血帯
住宅地の中、民家の裏の細い路地、用水路に沿った農道をいくつか曲がりながら、小学校へと向かっていく。島津容疑者が通った道には、血のあとが点々と残されていた。
移動には側溝を利用した可能性もある。小学校の近くには深さ約1メートル、幅約60センチほど、かろうじて人がひとり通れる側溝がある。
「見つからないように側溝をほふく前進していたのでは」(交番近隣の70代女性)
地元住民が事件に気づいていない時間帯に、この女性は島津容疑者を目撃していた。
「飼い犬が2匹いるんですが、外に向かってワンワンと鳴きやまなかったんです。どうしたんだろうと思って、網戸を開けてみたら、隣の家と隣接する幅60センチぐらいの隙間にあるブロック塀に腰かけている人物が見えたんです」