それは00年代前半のブーム時も同じで、当時のモーニング娘。や松浦亜弥さんなどはあれだけのメディア露出をこなしながら、同時に各地でのライブ活動も頻繁に行っていました。
そして20周年を迎えた現在でもその伝統は受け継がれ、ホールツアーはもちろん、ここ数年は若手グループによるライブハウスツアーも頻繁に開催されるようになっています。
ライブハウスのステージを普段の活動に組み込んだことで、ハロプロはホールツアーや握手会で、普段回ることのできないような地方でも、定期的にパフォーマンスを見てもらうことが可能になりました。
昔から生歌での歌唱を基本とし、ステージに強いアイドルを育ててきたハロプロならではの特性。
それがここにきて“会いに行けない”地方の潜在的アイドルファン、特にライトな応援が多かった女性ファンに、良い形で結びつきつつあるといえます。
地方女子にとって、上京のストーリーを重ね合わせやすい存在
『ASAYAN』(テレビ東京系)を見ていた世代の方はよく知っているかもしれませんが、ハロー!プロジェクトの生みの親となったモーニング娘。の1期生は、もともと5人中4人が首都圏以外の出身者でした。
中澤裕子さんは大阪から、石黒彩さん・飯田圭織さん・安倍なつみさんの3人は北海道から上京してアイドルになり、そのストーリーはテレビでも毎週放送されていました。
そして今のハロー!プロジェクトのアイドルたちも、現役で活動する55人のメンバー中25人、実に4割以上が、首都圏以外の地元から上京してきた女の子になります。
彼女たちがアイドルとして地元で行うライブは“凱旋公演”となり、ステージのアイドルはいつも涙ながらに、地元への想いを伝えます。
現在のメジャーアイドルを見てみるとその名前からしても、東京に完全に腰を据えるタイプ(AKB48・乃木坂46など)、もしくは最初から地域密着に向けてしまうタイプ(SKE48・NMB48など)と、それぞれの愛するべきホームが最初からはっきり決まっている傾向にあります。