最後に、作品で奈美にいちばんに声をかけたリーダーの芹香のように、自分の人生を変えてくれたと感じる人について聞くと、
「是枝裕和監督に会うと運気が上がるんです。煮詰まっているときに必ず監督とのお仕事があって、終わると“う〜ん”っていうのがなくなって、次のお仕事がいろいろ決まり始める。すごい不思議。歩くパワースポットです。
あの女優さん素敵だなとか、このお芝居いいな、いつかできるようになりたいなとは思うけど、今すぐみたいな気持ちはまだなくて。今は、目の前のこと、目の前のことという感覚なんだと思います。吸収できないくらいすごい共演者、監督、作品と巡りあってきました。その出会う運だけは、強い自信があります。本当に、そこだけはありがたいなって思っています」
原作を超えたおでん屋のシーン
「大根監督から「原作を超えた」と唯一、言われたシーンです。奈々役のエラちゃん(池田エライザ)とのシーンで、なんであんなに涙を流したのか自分でもわからなくて。奈々と仲よくなった後のシーンも同じタイミングで撮っていたので、自分の中で感情がうまく作れなくて……。エラちゃんがボロボロ泣くから、それにつられて、なんでこっちまで泣いてるの? って、不思議な気持ちのまま撮影が終わりました。今思えば、その戸惑いがよかったのかもしれません」
20年後の奈美役、篠原涼子との共演
「ずっと『アンフェア』を見ていたので、役柄そのまま、すごくクールで強い女性のイメージだったんです。でも、ご本人はすごく可愛らしく、フワフワした方で。なんか包まれる感じというか、私にしか感じられないものがありました。実は、共演させていただいたシーンを撮ったとき、朝ドラ『なつぞら』(来年4月スタート)をやることが決まったと聞いた直後だったんです。「えーっ!?」みたいな、いろいろな感情が自分の中にありすぎて、それが出て涙に変わって、1日中ずっと泣いていた記憶があります」
20歳の恋
「映画で、奈美は片思いをしています。恋愛って、憧れます。今まで好きになった人がいなかったわけじゃないですが、する暇がなかったです。仲よくなった共演者のみんなと、ごはんに行って恋愛の話もします。みんな忙しいから(彼氏が)いないんです。だから、ラブストーリーの映画を見て満足するんです。私たちには、まだ早いねって言いながら(笑)」
<作品情報>
映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』
8月31日全国ロードショー
夫と娘を支える専業主婦の奈美(篠原涼子)が、高校時代の仲よしグループ・サニーのメンバー芹香(板谷由夏)と再会する。末期がんで余命1か月と宣告された芹香の願いを叶えるために、サニーのメンバーを探し始める奈美。かつての仲間は、再び集結できるのか。