メディアに出る本来の目的

棚橋弘至 撮影/高梨俊浩
棚橋弘至 撮影/高梨俊浩
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 演技は今後も続けたいそうだが、レスラーであることが大前提とも。

「40歳を過ぎて、こんなに一生懸命になれることがまだあったんだって感じるほど、楽しい現場でした。

 でも俳優業やメディアのお仕事は、プロレスの楽しさを多くの方に知ってもらうためでもある。

 プロレスラーとして活躍できているからこそ、こうして俳優にも挑戦させてもらえている。

 以前、ケガで試合に出られない時期に、ファンに“試合も頑張ってください”と言われてしまって……。

 その言葉で、自分は何のためにテレビに出ているんだろう? プロレスを知ってもらうという、本来の目的を忘れていたなって気づかされたんです。

 だからまた同じようなことを言われないためにも、本業のほうもより一層、頑張っていきたいですね。あ、役者のオファーのほうもいつでもお待ちしています!(笑)

 棚橋のほかにも、オカダ・カズチカ、真壁刀義など人気レスラーが多数出演。中でも、悪役レスラーの相棒・ギンバエマスク役を演じた田口隆祐には注目してほしいと語る。

「木村佳乃さんから、“プロレスラーだと思わなかった。役者に向いているわよ”とお墨つきをもらったほど。主演で夫役の僕は最後まで、褒めてくれなかったのに……(溜息)」

選択するなら困難

 悪役レスラーをやっていることをなかなか息子に伝えられず、葛藤するシーンも描かれているが、棚橋自身には当てはまらないそう。

「人生で選択する場面になった場合、より困難だと思うほうを選ぶようにしているので、悩んだりしたことはないですね。

 困難なほうを選ぶ理由は、そっちのほうが達成したときの充実感があるから。充実感は、この作品でもキーワードになる部分だと思います」