再び前出・財務省担当者。
「そのテーブルで食べますか、家に持って帰って食べますかという意思確認をしていただく必要性があります。持ち帰りますと言えば8%、食べますと言えば10%になります」
理屈は原則的でわかりやすいが、実際、屋台側は、どうやって税金分の差額をやりとりするのか。制度に沿った運用は、混乱を招くこと必至だ。
ノンアルコールは酒税法の対象にならないため当然8%のまま、調味料のみりんは、アルコール分を含む「本みりん」は10%になり、アルコールを含まない「みりん風調味料」は8%のままと、成分により変わるややこしさもある。
中小小売店でキャッシュレス決済をすると、2%分をポイントでキャッシュバックするという対策も打ち出された。
だが、前出・森永氏は、
「ポイント還元は中小事業者だけになり、中小にはクレジット決済できないところが多いので、あまり使えないと思いますが……」
と、またしても冷ややか。景気の行方を、
「来年終盤は景気循環が下降に転ずること、米中貿易戦争で米国の景気が悪化すること、東京オリパラバブルが崩壊することで、消費増税がなくても景気後退に入るため、株式を持っている人は、この半年のうちに売却したほうがいいと思います」
と見通し、生活防衛を呼びかける。
「いま焦って何かを買う必要はない」
生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏は、
「クレジットカードを作っていない人は、今のうちにクレジットカードを作っておくことをおすすめします」
と事前準備を伝えるが、
「中小の小売店といえば街の鮮魚店などが思い浮かびますが、クレジットカードが使えないことが多い。そういうところで買い求める食料品は8%なので、増税の影響はないでしょう」
大型スーパーでも2%のポイント還元はされるのか? など未確定の部分はこれからだが、経済ジャーナリストの荻原博子氏は、今、われわれがやるべきことについて、
「ないです」
ときっぱり。さらに、
「みなさん、慌てる必要はないですよ、と言いたい」