また、博物館の2018年ランキングでは、展示方法にすぐれた施設の評価が高い。
「5位の『いのちのたび博物館』の骨格標本展は、リズミカルなパレードを見るような迫力の展示。また9位の『国立民族学博物館』は、生活道具など幅広い展示品が独特です。各館とも、ストーリーがあったりQ&A方式にしたりと、飽きないよう工夫を凝らしています」
エンタメ的要素を演出し、誰もが感覚的に楽しめるよう考えられているのだ。さらに、オリジナルグッズや併設カフェのメニュー開発などを含めた周辺ビジネスも盛ん。
「今後、人口が減少する中、施設を維持するためにも新しいファンを獲得せねばならない事情もあります。とはいえ、質の高い展示が世代や国籍を問わず楽しめたり、カフェが充実したりするのはうれしいですよね」
地域貢献を掲げてバブル期に急増した企業ミュージアムにも、再び注目が。17位の『UCCコーヒー博物館』では3Dラテアートに挑戦できたりと、体験型ミュージアムの人気が高まっている。
まさに大人から子どもまで気軽に楽しめるワンダーランド・ミュージアムの世界。ここからは、今アツい“王道ミュージアム”をご紹介したい。
今年は世界的名作を拝める奇跡の年!
美術館の醍醐味、企画展に行くならいまがチャンス! 一生に1度は見ておきたい名画や大作がそろい踏みだ。先月5日に開幕した『フェルメール展』は、オランダの天才画家、ヨハネス・フェルメールの現存する35作品のうち、欧州の主要美術館から9点が上陸。
『フランダースの犬』のネロが憧れた画家としても著名な『ルーベンス展』、《叫び》で有名な『ムンク展』が開かれるなど、美術史に輝く巨匠たちが東京・上野に集結している。
こういった世界的名作を日本で鑑賞できる機会は、国交樹立を祝う周年事業などの国家的文化交流か、所蔵美術館の改修時期などに限られる。ところが、今年は偶然、これらの時期が重なったため3展同時期開催という奇跡が起きたのだ。