「口に入れたとき、刺激的な味がすれば吐き出す場合もあります。しかし犬や猫は、人間のように味わって咀嚼して飲み込まずに、勢いよく食べてしまうので、毒物も一緒に飲み込んでしまいます。食べるのを防ぐのは難しい」
前出の『たんぽぽ~』石丸雅代代表は、現場の様子を、
「毒が混入したエサはトレイに入れてあったり、直置きもあった。いつもエサをあげていた場所が、ピンポイントで狙われました」
と犯人が地域の特性を熟知していることを示唆。
「毒の種類は特定されていませんが、即効性のある可能性は高いです」(石丸代表)
ネズミやゴキブリなどの駆除を行う『ベイトータルサービスジャパン』の藤邑誠一郎取締役に聞いた。
「青い粉の殺鼠剤はあります。ホームセンターやインターネットで誰でも買える状況には疑問を持っています。動物だけでなく子どもも危険です。触るとかぶれたり、アレルギー反応が出る場合もあります」
前出・石丸代表は、
「散歩中の犬が食べる危険性もあります。猫から人間へとエスカレートしたり、事件が注目され、犯行をまねる人間が出ないとも限らない」
と模倣犯の出現を危惧する。
近隣住民はこれまでにも類似事件があったことを明かす。
「昨年から相模川沿いではエサや飲み水に毒のようなものが混ぜられて猫が殺される事件が相次いでいる。今回の事件と同一犯かはわからないが世間が忘れたころにまた同じことが起きそうで怖い」
さらに、事件後に現場の対岸にある広場でも青い粉が混ざったエサが発見されている。
捜査関係者は、「猫の死因は捜査中」という。神奈川県警は、動物愛護法違反などの疑いで被疑者を追っている。
河川敷には注意喚起の紙が貼られ、パトロールする警察官の姿も多い。平気で猫を殺せる人間がいると思うと、ぞっとしてしまう。