落語への思い

「仕事がなくなったから落語の道に進んだと思われたくなかった。本気でやっていることを知ってもらうためにも、落語家としての免許証のようなものが欲しかったんですよね」

 現在は舞台のほかにも、レギュラーでラジオ番組にも出演。落語と並行して、メディアでの活動も大事にしている理由とは?

「僕が落語をしていることで、少しでも落語に興味を持っていただければ。ひとりでもファンを増やすことが、僕ができる落語界への恩返しだと思うんです」

 師匠の六代 桂文枝には、“落語界に風穴をあけてほしい”と言われているそうだが、まだまだ……と謙遜する。

「まずは基本を学び、自分の型を作ってから暴れないと。ただ暴れていたら、ケンカの弱いジャイアンですからね(笑)。だから、あと12年はかかる予定です」

 現在、NHKで岡田将生主演のドラマ『昭和元禄落語心中』が放送中など、落語にも注目が集まっている。三度も「1度見てほしい」と語る。

落語に触れ合う機会のない方も多いと思いますが、まずは1回、できたら5本ぐらいネタを見ていただければきっと面白いと思ってもらえるはず。

 収入面などしんどいこともありますが、好きなことをしている人はこんな顔するんだ、ってのをぜひ生で見ていただければ。読者のみなさんも大変なことも多いと思いますが、好きなことを見つけることから始めると、より人生が楽しくなると思いますよ