昨年7月に被害に遭った猫は、地元の寺で飼っていた猫で、『ポン助』と呼ばれていたと、副住職(35)。
「近くの檀家さんから様子がおかしいと連絡がありました。母が病院に連れて行くと、背中を垂直に刃物で刺されたような状態だったそうです。半月ほど入院し、手術も2回しました。元気になったので退院しようと連れて帰ってきたら苦しみだして、その日のうちに亡くなりました」
第一発見者の70代の檀家の男性は、
「弱々しく鳴いておってな。背中のあたりから白いもんがぶくぶく動いとったんや。なんや、思うて近づいたら内臓がはみ出していてな。すぐにお寺さんに電話して、奥さんと病院に連れていったんです。すると獣医さんが、”これは鋭い刃物で刺されて腸まで切れとる。悪質だから警察に連絡したほうがいい”というので届けたんです」
猫の次は人間かもしれない
通報後には警察が、現場の写真を撮ったり、近所に聞き込みをしたりと2回ほど来たという。その理由を尋ねると、
「警察は”人や子どもに危害を加えられたら大変だから、注意して捜査を進めているんです”言うてな。昔、神戸で小学生が首を切断されて殺された事件があったけど、そういう事件が起こる可能性があるかもしれない。こんなことする人間がおるんやな。ほんま、えげつないわ」(同前)
『ポン助』を傷つけた虐待犯は捕まらないまま、2018年にも、猫が殺害される事件が周辺で立て続けに起こった。
前出・捜査関係者が続ける。
「3月22日に姫路市白浜町の駐車場で、上半身のない猫の死体を散歩中の女性が発見した。切断面が鋭利な刃物だと獣医が判断しており、人為的に行われたと捜査している。
6月15日には、姫路市飾磨区英賀の一般家屋の駐車場の前に、頭部のない子猫の死体が置かれていました。
9月3日には、姫路市飾磨区阿成の公園敷地内で、頭部のない雄猫の死体が発見されています。後者の2つは人為的かどうかは不明。野生動物の仕業という可能性もある」
そして直近の事件が、冒頭の民家の花壇の猫の遺体。
兵庫県内の動物愛護団体の関係者は、
「(姫路から約18キロ離れた)加古川で猫などの動物の虐待事件が相次いでいました。それと関連もあるのではないかと思いましたが、実際のところはわかりません。ただ、こういった事件が少しでもなくなればと心から願っています」
と切実な声で訴える。
明らかに人為的と思われる殺害を中心に、警察は捜査を進めているが、
「防犯カメラなどにも不審人物は映っておらず、関連があるのかどうかは今のところ不明です」(前出・捜査関係者)
地域住民が安心して眠れるよう、一刻も早い犯人検挙が待たれる。