メンバーと一緒にお見送り
終演後はメンバーによるお見送りがあったが、特筆すべきは、彼らの所属事務所・CULEN代表のIさんも自ら客席通路に立ち、退出するファンを見送っていたことだ。通路に配されたスタッフのひとりとして、彼女はそこにいた。
Iさんに気づいたファンは、口々に「楽しかったです!」「またやってください!」などと声を掛け、これに対して彼女は「よかったです」「ありがとうございました」と丁寧に応えていた。
ファンと至近距離で接することで、吸い上げられるものとは何か?
それは隠しようもなく立ち上る“気”や“高揚感”といった感情の熱量。こればかりは美肌アプリで加工することもできない。
客を満足させられなかった催しなら、うわべだけ「よかったですぅ」と言われたところで肌に刺さる“気”は冷たいはずだ。盛り上がったときなら、何をか言わんや。きっと私の熱も、ビシバシ伝わったことと思う。
Iさんゾーンを抜けてしばらく歩くと、出口が見えてきた。
メンバーは3か所に分かれて待機しており、私の進んだ先には草なぎ剛さんがいた。列は草なぎさんの手前で一列となり、一人ひとりゆっくり前を通っていく。
私が「剛さん!」と声をかけると、彼はきちんと目を見て「またねー!」と手を振ってくれた。まるで友達が送り出してくれたかのようなフラットさ。
どちらが上でも下でもない。アイドルですよ、代表ですよ、お客様ですよと相手を下に見る人がひとりもいない。このなめらかなフラット感こそがNAKAMAの定義で、これからもこの道が続くと思うと心楽しい。
「道なき道をいこう」とは新しい地図が最初に掲げた言葉だが、そこで語られた“道”こそが、今歩いているこの道。
東京公演を終えてファンミは全国に繰り出してゆく。道は、続く。
プロフィール
みきーる/ジャニヲタ・エバンジェリスト。ライター・編集者。
グループを問わずジャニーズアイドルを応援する事務所担。応援歴は25年超、3日に1度は現場参戦。著書に、『ジャニヲタあるある』(青春出版社)、『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)など。
◆Twitter @mikiru
◆オフィシャルブログ 『ジャニヲタ刑事!』