2月4日からスタートしている、KinKi Kids堂本光一の舞台『Endless SHOCK』。'00年から、帝国劇場でシリーズ上演されている同作も20年目を迎えるのだが、今年は少々勝手が違うようだ。というのも……、
「帝劇地下1階には“楽屋入口”と書かれている関係者入り口があって、多い時にはファン数百人くらいが通路に並んで出待ちするんです。その楽屋口間近にあったのが、帝劇と地下街でつながっている国際ビルに入っていた『蘭』でした。このお店が昨年末で閉店しちゃったんです」(ファン女性)
この国際ビル地下のレストラン街にあった『蘭』という喫茶店。記者も何度かお世話になったことがあるのだが、実はジャニーズファン、とくに帝国劇場を訪れるファンの“聖地”になっていたお店。
店内はいたってシンプル。大小のテーブルに、入口には新聞や雑誌、漫画なども置かれていて、このご時世において全席喫煙可能の昔ながらの喫茶店。お世辞にも、女性好みのおしゃれカフェとは言い難いお店だった。
メニューにしても、各種サンドイッチや焼きそば、ナポリタン、ドライカレー、オムライスなどの軽食がメイン。あんみつやホットケーキなどのデザート系もあるのだが、全体的にボリューム満点。普段は、食後のコーヒーで一服したいサラリーマンの聖地でもあった。
ところが、ひとたびジャニーズの公演が始まると雰囲気は一変して、店内には作品ポスターが貼られて、BGMにはジャニーズの楽曲が流れる。そして連日、席はファンの女性で埋め尽くされ、それぞれがアイドル談義で盛り上がるのだ。
常に“予約席”のテーブルがあるワケ
「待ち合わせ場所にしたり、出待ちファン同士で仲よくなって交流を深めたりと、そんな憩いの場にもなっていました。すぐ近くで公演しているかと思うと、チケットを持っていなくても、ついつい行っちゃう場所でした」(前出・ファン女性)
単に、劇場と近いから“聖地”だったわけではない。
「楽屋への出前もしていたので、帝劇出演経験のあるタレントのほとんどが『蘭』を一度は利用しているはず。特に光一君は、各店のメニューを取り揃えていて、迷ったときは“やっぱり『蘭』かな”と、注文していたみたいですよ。ナポリタンも“多いな~”と笑いながら食べていたそう」(芸能プロ関係者)
ファンはお目当てのタレントが食べていた、同じメニューを聞きつけて注文するのだ。
また愛用者はタレントだけではなかった。帝国劇場を“根城”にするジャニー喜多川社長も『蘭』の常連だったのだ。
「ふらりと来店しては、ときにJr.たちと食事をしていたそうです。店内の円卓テーブルは公演中、常に“予約席”になっていたのですが、何でも、そこがジャニーさんの愛用席だったと言います。お店側も、いつでも座れるようにと配慮していたのでしょう」(同・芸能プロ関係者)
なるほど、光一も当初はジャニーさんに連れられて来店していたのかもしれない。
そんな光一は公演前の1月28日、ラジオ『KinKi Kids どんなもんヤ!』(文化放送)の冒頭で、
《なくなってしまったのは、なかなかつらいですね。(営業)50年だもんね。本当にすごい、尊敬します。(店主とは)ちゃんとお会いできていないので、お手紙いただいて。お伝えできていませんけども、本当にお世話になりました。ありがとうございました》
ショックを受けながらも感謝の意を述べた。一方で《何が入ってくれるんやろう》と、次の出店にも期待を寄せたのだった。
現在、『蘭』が入っていたテナントは閉鎖されたままで、今のところ新しいお店がオープンする気配はない。
国際ビルを管理する三菱地所商業施設営業部に、次の出店は決まっているのか、また飲食店に限るのか、など聞くも「お答えすることはできません」と、残念ながら答えをもらうことはできなかった。
願わくは、また、みなから愛されるお店ができてほしい。