「デザインはもちろんですが、やわらかい素材を使用していますので、動きやすくはき心地がいいとご好評いただいています。また、木村さんが(CMで)はいている『502』はメンズなんですが、『W26』サイズですと女性のお客様もはくことができるので購入されていきますよ。
40代以上の女性が多く見受けられますので、やはり(木村さんの)影響力は大きいと思います」
そう取材に答えてくれたのは『リーバイス ストア新宿店』の女性店員。
約20年前、数々の社会現象を起こしていた“木村さん”の影響力を、今の若い女性が知らずとも無理はない。
店頭に、デニム素材のジャケットとジーンズを身につけたペアのマネキンとともに、展示されている巨大パネル。道行く人が「あっ、カッコいい」と指さすのは、同衣装を着てポーズを決めたリア・ドウと、木村拓哉だ。
2月から国内外で放送されている、リーバイスの新商品『エンジニアード ジーンズ』CMに、中国人歌手フェイ・ウォンの娘で、シンガー・ソングライターのリア・ドウと共演する木村。2人の息の合ったダンスCMが話題になっている。
20年の時を越えた“オマージュ”
「'16年のSMAP解散後、追うように出演CMが次々と終了しましたが、『リーバイス』による“再起用”で久々に“キムタク売れ”を起こしているみたいですよ。主演映画『マスカレード・ホテル』も興行収入40億円に迫る勢い。まだまだ健在と見えます」(広告代理店関係者)
木村がリーバイスに起用されたのは、これが初めてではない。
かつては'00年から'08年までの間、同社のCMに出演。今回の新商品『エンジニアード』は、'99年に発売されたジーンズを“リバイバル”したもの。'00年放送の同商品のCMに起用されたのが、当時27歳の彼だった。
「日本で初めてリーバイスの“顔”にばってきされたのが木村さん。初の『ベストジーニスト』殿堂入り効果もあってか、CMではいたモデルは大ヒット商品になりました。このときもダンスCMでしたから、約20年の時を越えた“オマージュ”作なのでしょう」(同・広告代理店関係者)
'00年と言えば、ドラマ『ビューティフルライフ』(TBS系)の平均視聴率が32%を超えるなど、木村がトップスターとして“無双”していた時代。一挙手一投足が話題になった彼の、劇中で使用した衣装や小道具を若者がこぞってまねする、といった社会現象も起こしていた。
「街にはヤマハのバイク『TW』があふれ、'01年の『HERO』(フジ系)で着たレザーダウンジャケットがバカ売れ。ほかにもカバンや時計、サングラスやキャップなど、キムタク着用アイテムが次々と店から消えていくため、当時は衣装提供に手を上げる企業が絶えなかったと言います」(ドラマ制作関係者)
そして今回、久しく起きていなかった“キムタク売れ”が、リーバイスの“復刻”によって復活している。
そんな効果もあって、冒頭のリーバイスストア新宿店でも、『エンジニアード』シリーズは同店の主力商品になっている、というわけだ。
あらためてリーバイスを展開する『リーバイ・ストラウス ジャパン』に話を聞いてみると、
「キャンペーン発表後、発売前の予約を多数受け、某ジーンズショップでは、発売当日午前中での売り上げトップ10にすべて『LEJ(リーバイス エンジニアード ジーンズ)』がランクインするなど、大反響でスタートし、その勢いはいまだ継続しています」
前回は、約8年間にわたって木村を起用。今回も?
「今後の継続に関しては未定ではありますが、このような機会をお引き受けいただいた木村さんには心よりお礼申し上げるとともに、リーバイスへの今後を乞うご期待いただければ幸いです」
先日には新しく、サントリー『金麦』CMもゲットした木村。かつての“CM王”が、“キムタク売れ”とともに復活するのか。
※文中の『リーバイス ストア』には商標登録記号(Rの囲み文字)が入ります。