「お前は学校の先生になるとか? とつけむにゃあ!」

 NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で、主人公の金栗四三の兄である金栗実次を熱演中の中村獅童

「実次は、金栗家を支える大黒柱という役どころ。第7回で、お金に困る四三のために熊本から上京するシーンは大きな感動を呼び、“実次さんの男気に泣いてしまった”との声があがりました」(テレビ誌ライター)

 3月上旬、強烈なインパクトを残した号泣シーンから一転、クールな姿が都心の飲食街にあった。

 グリーンのブルゾンにピンクのTシャツ、黒のジョガーパンツというロックなスタイルで人混みをどんどん歩く獅童。そして、その後を追うように急ぎ足で歩く荒川良々の姿が。

いつも行くお店なの?

 荒川がそう声をかけると、コクッとうなずいて小さな雑居ビルへ。そこは長く地元から愛されている寿司店だった。

あのお寿司屋さんはもう創業70年以上になる老舗なんです。夫婦で切り盛りする小さなお店で、値段もリーズナブル。常連さんが足繁く通うような場所ですね。獅童さんも行きつけだそうですよ」(常連客)

荒川に一目置く獅童

 '02年に公開された映画『ピンポン』で初共演を果たし、5月から行われる『オフシアター歌舞伎』でも共演予定のふたり。出会いは20年ほど前にさかのぼるという。

ふたりはある舞台のオーディションを一緒に受けたことがあったんです。当時、獅童さんは歌舞伎の世界を出て、演技の勉強をしようとしていたころ。

 “ただ歩くだけ”というお題に戸惑うなか、まったく無名だった荒川さんは本当に普通に歩いただけなのに、審査員たちの爆笑をとってしまったんです。結局、獅童さんは落選し、荒川さんが合格。以来、荒川さんに一目置いているそうです」(芸能プロ関係者)

 その後、役者としてだけでなく、飲み仲間としても親交を深めていったふたり。過去に獅童がゲスト出演したラジオ番組で“改めていいやつだなと感じた人”を聞かれ、荒川の名前を即答したこともあった。

獅童さんが映画の撮影で長野へ車で向かっているさなか、荒川さんから電話があったのですが、ほかの人も同乗しているロケバスだったので小声で話したんです。

 そうしたら、荒川さんは獅童さんが悩みを抱えて落ち込んでいると勘違いしたみたいで、獅童さんに会いに長野まで駆けつけたんだそう。さすがの獅童さんも驚いたみたいですが、そこまで真剣に自分のことを心配してくれる荒川さんのことをますます好きになってしまったそうです」(ラジオ局関係者)

 美味しいお寿司とお酒を堪能したのか、笑顔で店から出てきたふたりは、そのまま夜の街へと消えていった。