昨年12月のお誕生日での文書回答には、両陛下への強いお気持ちをこう述べられている。

《両陛下が、大きな責任を担われながら、どれ程深く国民の幸せや国の安寧を願われ、お力を尽くしていらっしゃったかということを改めて思い、敬意と感謝の気持ちで一杯になります》

 両陛下から大事なバトンを引き継ぐ雅子さまは、5月以降に控えている即位関連の儀式を見据えられているにちがいない。

'90年11月12日、現在の両陛下ご即位に際しての『饗宴の儀』。国内外の要人を招待し、この日から4日間計7回行われた。
'90年11月12日、現在の両陛下ご即位に際しての『饗宴の儀』。国内外の要人を招待し、この日から4日間計7回行われた。
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祝宴とセットになっていた今回の授賞式は、10月に控えている国事行為の『響宴の儀』を意識されたのかもしれません。

 この儀式は、皇太子さまの即位後に国内外から賓客を招いて行われる祝宴で、平成になった前回は計7回行われましたが、今回は計4回、総人数も3400人から2600人に減らして行われます。

 今後行われる大勢の人々との食事会に慣れるためにも、今回の授賞式はぎりぎりまで検討を重ね、ご出席を決断されたのだと思います」(前出・宮内庁関係者)

 前出の出口教授は、今回のご出席について、今後に生かされると話す。

「大勢で食事をする機会にお出ましになっていくことは、今秋に控えている『響宴の儀』にも生かされると思いますよ。

 ハードルの高いことから始めるのではなく、徐々にステップを踏むことで、秋の儀式に対して準備されているといえるでしょうね」

 少しずつ、今まで取り組むのが難しかった公務などを経験していくことで、雅子さまの中で“自信”が高まっていくことだろう。

 宮内庁ОBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、

「新天皇の即位を祝う場ですから、皇后が不在でも儀式は可能です。しかし、現在は天皇・皇后がともに活動する機会が多いため、天皇の即位を祝う場とはいえ、皇后が隣にいたほうが好ましいのは当然です。

 大勢の関係者が参加したという『ヘルシー・ソサエティ賞』の授賞式と祝宴に出席されたのは、秋に控える『響宴の儀』を見据えられている可能性はあるでしょう。

 ただ、5月1日以降、即位関連の儀式や行事が続きますので、今は体調の管理が第一で、ご無理されないようにしていただきたい」

 着々と復調されている雅子さまの様子からは、さらなる期待の声も上がる。

「宮内記者会は、皇太子ご夫妻そろっての記者会見を再三求めていますが、療養に入られてからは長らく実現していません。

 昨年の銀婚式や、お誕生日でも会見は開かれませんでしたが、雅子さまが少しずつ歩みを進めていらっしゃるので、皇后になられたあと、会見が実現する可能性は十分あると思いますよ」(前出・東宮職関係者)

39歳のお誕生日の会見。療養に入られてから雅子さまの会見は実現していない(’02年12月)
39歳のお誕生日の会見。療養に入られてから雅子さまの会見は実現していない(’02年12月)