稲垣の性格や特性を
より色濃く反映した展開に
タカオは心療内科医のカウンセラーでありながら、人間としては不完全で、無責任極まりない男。
「そんなやつでも、1度死んだ妻のフジコは女神のように上から見守りながら、さらに彼を導いていく──。ダメな男がどんどんまともになっていくという話は面白くなりそうだなと」
飯田氏の中にすでにあったストーリーの軸。そこに、主人公・タカオを演じる稲垣のキャラクターを肉づけしていったという。
「編集部から稲垣さんを主演にした小説をやらないかという話が来たとき、まだ映像化していなかった『ロストマン』の主人公と稲垣さんって、すごく重なる部分が多いと思ったんです」
だが、主人公がやること=稲垣がやりそうなこと、というわけではないという。
「例えば、稲垣さんがピンチに追い込まれたとき、こう考えるだろうなとか、こんな対処をするだろうなと、想像しながらストーリーを膨らませていきました」
この企画がスタートする前は、飯田氏は稲垣に1度も会ったことがなかった。
「稲垣さんがメディアに出て話している姿を見て感じたことを、タカオのキャラクターに昇華させていきました」
これからのストーリー展開は、稲垣の性格や特性をより色濃く反映させていくという。
「稲垣さんって誠実でいい人だから、他人との争いごとは極端に嫌いかなと。自分からは波風を立てないタイプ。それはネガティブな意味ではなく、彼がとてもクレバーだからこそ」
稲垣のトーク番組『ゴロウ・デラックス』(TBS系)での司会ぶりを見ていて、
「作家さんたちとのトークでも、あえて深く入りこまないというか……。相手が作った流れを変えないように、身をまかせて話を盛り上げられる人だなと思っていました」