同じアパートの住人は、松岡容疑者の挙動不審な行動にうんざりしていたという。
「壁やドアをドンドン叩いたり、大声で“うるせぇ、開けろ!”と怒鳴ったり、インターホンを何回も鳴らされました」
昔は穏やかな顔をしていた
昨年12月くらいから、そのようなおかしな行動は頻繁に見られるようになっていた。
別の住人は、松岡容疑者のだらしない日常を証言する。
「ベランダの仕切りが甘いので、少し顔を出せば見えるのですが、まぁ、汚いですよね。ベランダにゴミが散乱してるのが見えますから。室内からもゴミがはみ出していますからね」
ゴミ屋敷状態の室内だったようだが、においについては「それは感じませんでしたね」と同住人は明かす。
神奈川県内にある生家近くに住む70代の男性住民は、
「あそこの家は、昭和の初めごろからあって、このあたりではいちばんしっかりした、何事にもきちんとした家で、(家族の)みなさん人柄も朗らかなんです。彼も逮捕されたときはあんな顔ですけど、昔は穏やかな顔をしていました」
両親と兄と4人家族。中学時代は剣道少年で、大きな防具入れを担いで通学していたという。地元の高校を卒業後、県内の短大に進学し保育士になり、約6年前、同じ乳児院で照井さんと同僚になった。
松岡容疑者が、照井さんに好意を抱いていた、という報道もあるが、真相は不明だ。
2人が勤務していた社会福祉法人カリタスの園理事長は、
《同じ職場の職員が被疑者として逮捕されたことで、私どもは再び強い衝撃を受けました。(中略)今回の事態は痛恨の極みです》と悲しみの深さを文書で伝えた。
取り調べには「部屋には入ったが、ほかの男がやった」などと供述しているという松岡容疑者。
照井さんの勤務シフトは、同僚ゆえ簡単に入手することができると思われ、自転車通勤していた照井さんの帰宅時間も推定できる。自身も事件前日と当日は休みのシフト。計画的犯行が透けて見える。
「アパートの屋根から被害者宅のベランダに下り、窓ガラスをバーナーなどで焼いて何らかの工具で割る手口で侵入しているところは、まるでプロの空き巣の手口だった」
と全国紙社会部記者。
「だが、捕まったのは同僚だった。照井さんが不在ということは知っているわけですから、慌てずに窓を壊せる。帰宅までクローゼットで待機していて、非常に計画的に侵入したにもかかわらず、なぜか凶器は持っていないというアンバランス。それがどういうことなのか」(同・記者)
本当の動機は松岡容疑者の供述を待つしかないが、全容解明には、まだ時間がかかるとみられる。