「平日は授業などがあって時間がとれない。休日も部活などで時間をとれない人も多いですね。しかし、時間をかけないと決まらない。
また、教育の現場は、4月から始まって3月に終わるという“年度制”で動いていますから、転職時期が春のタイミングに限られる。職場を辞めるというのは誰もが持つ権利ですから、何月だろうが辞めていいわけですが、やはり生徒を受け持っていれば、“途中で投げ出すことはできない”と、4月のタイミングで転職という人がほとんどですね。
本当に大変で嫌なら、投げ出しちゃっていいと思うんですけどね(苦笑)。そこでできなければ、1年後という人も多いです」(同・転職エージェント)
スムーズに決まる転職先はなく、苦労して取得した免許も無に帰するような“未経験OK”の職場となれば必然的に……。
「年収は下がってしまう人が多いですね。イメージとして400万円台から300万円台になる人が多い。これは転職先だけの問題ではなくて、あまり金銭面を考えていない人が多いという側面もあります。公的な仕事に近い教師という立場にあったことで、“お金を稼ぐ”ということに少し後ろめたさを感じているような人もいます」
職歴ロンダリングも
転職の難しさゆえに、“次の次”を見据える人も。
「やはり教育系がいちばん決まりやすいですから、たとえば1度、教材の編集の仕事に就いて、本の編集という経験やスキルを身につけて、その後に出版業界へスライドしていく。こうしたひとつ職歴を増やして、一般企業でも働ける経験があることを示す“職歴のロンダリング”を考える人もいます」(前出・転職エージェント)
教師の転職事情についてネガティブな言葉ばかりが聞こえてきたが、教師という職歴はマイナス要素などではなく、むしろプラスにとらえられるケースも増えてきたとも。