忘れたころにやってきては、思い出す
あの木村も46歳。多少見た目が老けるのも当然ではないか。みな、わざわざ口をそろえて言及することなのか。
そこに、“とにかく悪口を書き込みたい”という意思がみてとれるのは私だけではないだろう。書き込んだ人のなかには、そもそも「木村の納豆に対するこだわり」を読んですらいないアンチもいるかもしれない。わかりやすく目についたのが顔の劣化だったというだけで、キムタク叩きさえできれば、もはや内容なんてどうでもいいのだろう。
一応、気になった方のために、彼の納豆へのこだわりを引用させていただく。
《納豆の入っていたプラスチック容器の中で、このかき混ぜ作業を済ませてしまう方が多いのですが、これでは納豆の魅力が引き出せないので、器に移してさらに混ぜて食べていただくのがオススメ!》
正直、私個人としても「そうですか」以外のコメントが浮かばない。しかし、だからといって顔の劣化をはやし立てていい理由にはならないはずだ。
なぜ、どうして、いつまでもキムタク叩きは終わらない?
その答えの一片を『週刊文春』(4月25日号)に見た気がした。それは、
《SMAP再結成匂わせ 中居正広の二枚舌》
と見出しが打たれた3ページに及ぶ記事。
中居がテレビで「グループ再結成」を匂わせる発言をするウラで、新たな冠番組をスタートさせるにあたり、ひそかに事務所と契約更新を結んでいたという内容のものだ。
あくまで中居の“自己保身”について特集された記事ではあるが、このような話題が出るたびに読者(特にSMAPのファン)は、どうしても空中分解のキッカケとされる「木村の決断」を思い出してしまう。
現に同号の『文春』には、中居が「あの時、木村さえ裏切らなかったらな」と知人に漏らしたという発言も掲載されている。
解散から2年以上もたっているのにもかかわらず、いまだに「再結成」の話が出てくるようなアイドルグループは“元国民的スター”のSMAP以外にありえない。失礼な話で申し訳ないが、たとえ『文春』が「光GENJI再結成直近か!?」といった情報をキャッチしたとしても、記事に3ページもさいたりはしないだろう。
そう。今でも定期的に「SMAP再結成」の話はどこからともなく降ってくる。その報道は世間が忘れたころに、衣替えくらいの頻度でやってくる。結果、いつまでたっても世間は「裏切り者のキムタク」を忘れることができないのではないか。これではアンチ木村の“書き込み工作”もやむはずがない。
「またいつか5人が並んだ姿を見たい」という期待が続く限り、木村へのバッシングは終わらないのかもしれない。今日も木村の記事はないかと探すアンチの姿が目に浮かぶ。
木村拓哉の「納豆へのこだわり」はいつまでスルーされ続けるのか。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉