発表の時期やタイミングも含め、この2つの人気プロダクションのアプローチ方法には“似た点”がある、と前出の記者は指摘する。
「Jr.にも多くのユニットがあるのですが、『美 少年』はJr.を指導するタッキーのラインとはおそらく違い、ジャニーさんが自ら指揮をとる存在だと思います。昨年、タッキーがまとめるJr.の2019年度の年間スケジュール資料の流出騒動がありました。真偽は不明ですが『美 少年』の欄だけ空白だったんです。これでジャニーさんの直轄であることを印象付けましたよね。
ジャニーズはジャニーさんの、ハロプロもアップフロントの会長の、次世代にかかる個人的な思いがあふれていると感じます。
ハロプロもかつては、つんく♂個人の色が強いイメージでしたが、ももち(嗣永桃子)がプレイングマネージャーをつとめた『カントリー・ガールズ』に、梁川奈々美と船木結が新規加入したとき、一気に路線変更しました。これまでのかわいい路線からロカビリーを歌うなど、所属アーティストが直接、アプローチすることもあります。舞台にも注力するという『BEYOOOOONDS』の売り方にも、特別な思いを感じます」
ジャニーズとハロプロには共通点も多く、どちらも応援しているファンは意外に多い。あるアイドル系ライターは言う。
「個人色の強い、独自の世界観を真面目にパフォーマンスするというところは、よく似ています。それも、Jr.や研修生時代にしっかり身につけた実力なので、基本的にクオリティが高い。パフォーマンス力があるからこそ、その世界観を楽しめるというところはあります」
NHKの人気歌番組『うたコン』の5月7日放送回に『BEYOOOOONDS』が出演。氷川きよしやデーモン閣下など、豪華な顔ぶれの中、令和初の放送回を彩り、新時代グループを印象付けた。
新元号、東京五輪……大きく動く世の中に合わせ、どんな仕掛けをしてくるかも楽しみにしたいところだ。
<取材・文/渋谷恭太郎>