弁護人に「DVを受けていたか」と確認されると「当初はそう思っていませんでしたが、現在振り返ってみるとDVだったかなと思います」
暴力で支配される中で命令を受けると「絶対にやらなくてはいけないという気持ちになる」「(断ることは)ありません。怒られると思ったからです」と完全服従の姿勢に。
勇一郎被告の虐待について、
「これ以上やめてと言いました。そうしたら胸ぐらをつかまれて、床に押し倒されて、馬乗りになって、ひざかけを口の中に突っ込まれました」
それ以降は無抵抗。LINEで心愛さんの様子を勇一郎被告に告げ口するなど、心愛さんの虐待に加担していった。
逃げる! という選択肢についても「ないです。行き先がバレたら連れ戻されると思いました」と証言。
愛情なのか洗脳なのか
前出の傍聴した男性は「夫にどこか依存している感じに見えました。裁判全体を通して、夫をかばうような印象を受けました」と話した。
沖縄で、実母(心愛ちゃんの祖母)と暮らしていたころの心愛さんを、
「優しくていつも笑顔で明るい子でした」
と、なぎさ被告は振り返るが、千葉に来てからは、「あまり元気そうに見えず、暗い感じだった」という。
実母が証言した「優しい子でニコニコしていた」「一緒にハンバーグなどの料理や買い物など、楽しそうにしていた」という心愛さんは、千葉で「毎日が地獄だった」という日々を味わい、幼い命を奪われた。
2人について「離婚してほしい」と実母は証言したが、「夫とは今後どうするか、離婚は?」という検察官の質問に、なぎさ被告は無言。
前出・社会部記者は、
「検察官が“好きなのか”“別れる?”と質問しても何も言わない。迷っていて気持ちが決まっていないのだろう」
それは愛情からくるものなのか、恐怖という洗脳からくるものなのか。
検察側は懲役2年を求刑し即日、結審。判決は6月26日に言い渡される。